テレビの未来は「さらなる高画質化」ではない

テレビに関連した記事。
テレビを主力とするメーカーは、収益拡大のためにさらなるテレビの高付加価値化を進めようとしている。
しかし、その方向性は必ずしも正しいとはいえない。

@DIME アットダイム|ジャンル|AV・デジカメ|「クリスタルLED」「レーザー光」「4K」日本メーカーがめざすテレビの“超高画質”競争に未来はあるのか?

「逆襲」に向けて動き始めた日本メーカー。各社とも確かな〝勝算〟があるようだが、販売現場との大きな隔たりを感じざるを得ない回答もあった。それは、「さらなる高画質化」の追求である。「違いがない」という指摘に対して、デザインやネットワーク連携、大型化、録画機能などで〝個性〟を発揮しようとする日本勢。各メーカーのキーマンたちを取材する中で、担当者たちが一様に口にしたのが「さらなる高画質へのこだわり」だった。

(中略)

しかし、一方で「超高画質競争」に対しては冷ややかな見方もある。ある大手量販店の店員がいう。「高画質技術は確かにすごいですが、現時点でお客様が今のフルHD以上の画質を求めているとは思えません。各社の商品はすでに相当高いレベルにあるので、お客様がテレビを選ぶ際の優先順位として、画質はあまり高くないのではないか、という印象があります」

販売店の店員の意見の方が的を射ている。

私もテレビ関連の過去記事で書いているが、テレビを今以上にスペックアップしても、一時的な訴求力しかない。いずれ他のメーカーも追随するから、ハイスペックも遠からず普通のスペックになる。

目指すべきは高性能・高機能ではなく、テレビの新しい使い方、テレビによる新しいライフスタイルの創造なんだ。

くしくもAppleの新技術の発表が行われているが、機器としての性能のアップだけでなく、ソフトやOSとしての使い勝手の向上も図られている。
ハードとソフトは車の両輪だから、平行して進化させていくもの。

ところが、日本のテレビメーカーがやっていることはハードの進化ばかりに力を入れている。
バランスが悪すぎる。

なんとなく、巨大化しすぎてしまった恐竜を思わせる。恐竜は体を巨大化させることで生存競争に勝つ道を進んだが、体の大きさに比べて脳は小さいままだった。そして、環境が激変したとき、生き残る術がなかった。恐竜が絶滅したあと、世界を支配することとなったのは体は小さいが脳を発達させた、ほ乳類だったのだ。

Appleが新しいテレビを出す……という噂も絶えない。
どんなテレビを出すのか、いろいろと憶測記事も出ているが、ほんとうにAppleがテレビを出すのかどうかは定かではない。

「アップル製テレビ」という幽霊 – ZDNet Japan

 「出るぞ、出るぞ」と言われながら未だ姿をみせていない、あるいは正体を見れば「枯れ尾花」となるかもしれない、例の「アップル製テレビ」という幽霊についてである。

上記の記事の詳細はリンク先で読んで欲しいが、もしこれがAppleの目指している方向だとすれば、テレビを媒体とした新しいビジネスモデルを構築しようとしているようだ。

これはテレビ製造メーカーだけでなく、テレビ局にも脅威になるような、とんでもないイノベーションだ(^_^)。
SONYやPanasonicも、こういう近未来を目指さないとだめだ。

▼私のブログの関連記事は以下。
「テレビ」の未来形を考える(1)
「テレビ」の未来形を考える(2)
「テレビ」の未来形を考える(3)
SONYらしさはどこに?
SONYらしさはどこに?(余談)

諌山 裕

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