毎日、くどいようだがメタバース関連のニュース(^^;)。
Meta社のメタバースは、年間100億ドル(約1460億円)の赤字を出し続けているとのことで、来年はさらに拡大するらしい。この調子で、黒字に転換するのはいつになるのだろうか?
メタバース事業は2023年「赤字をさらに拡大する」と予告…メタが四半期決算を発表 | Business Insider Japan
メタ(Meta)は、ウォール街がコスト削減を強く望んでも、メタバース構築のための巨額の支出をやめるつもりはないようだ。
昨年、社名をフェイスブック(Facebook)からメタに変更した同社は2022年10月26日に発表した第3四半期決算で、メタバース全般を扱う部門のReality Labsでは今年90億ドル(約1315億円)以上の損失を出しており、第3四半期だけでも約40億ドル(約585億円)の損失を計上していることを明らかにした。この部門は2021年に100億ドル(約1460億円)の損失を出しており、同部門の支出は増え続けるとメタは述べている。
(中略)
ザッカーバーグが構築しようとしている没入型デジタル世界の主要な部分はアバターだ。今のところ、アバターはまだ初歩的なものに見え、先日の開発者会議で披露したようなことはまだ実現されていない。
「ザッカーバーグ船長はメタバースという未知の世界に向かってメタという船を操縦し続け、自分自身を再発明するために何十億ドルも、何百億ドルも、つぎ込もうとしている」とミラボー(Mirabaud)のTMTリサーチ責任者のニール・キャンプリング(Neil Campling)は述べている。
「自分自身を再発明する」というのに笑ってしまった。
そうか、ザッカーバーグの狙いはそれか。それなら自分似のアバターに固執するのに納得だ。ナルシシストで自己顕示欲を満たしたいんだな。普通は、違う自分になりたいと、まったく違う容貌のアバターを選びたいものだが。
アバターに足が付いたのを、誇らしげに自慢していたが、次の発明はなんだろうか?
きっと、驚くような発明に違いない(^^)。
一連のメタバース関連の流れを見ていると、注力するのはそこじゃない、という感じがしている。
リアル世界をメタバースに移植するのではなく、メタバースならではの独創的な世界観を創り出す必要がある。その世界が魅力的であれば、行ってみたい気になる。観光で外国に行くのに似ている。日常の延長ではなく、非日常の世界。それを可能にするのがメタバースであるはずだ。
理想郷的なメタバースの世界観を表現したものが、すでにある。
映画「アバター」の世界だ。(レビューはこちら)
ああいう世界で、ジェイク・サリーのような冒険できるのなら、どんなに素晴らしいことか。リアリティは重要だが、それは日常の延長線ではない。求められるのは、ファンタジーな世界でも感じられるリアリティだ。オフィスをいかにリアルに再現しても、魅力的とはいえない。
アバターを再発明するのなら、映画「アバター」をお手本にするといい。リアリティとは、本人に似ているかどうかではなく、エモーショナルな存在感なんだ。ザッカーバーグのアバターには、それが根本的に欠けている。
映画「アバター」は2009年の作品だ。13年前のテクノロジーで、あのアバターCGが表現されている。技術は進歩し、コンピュータの性能も上がっているのに、なぜあのレベルに到達できないのか?
映画とは違うといわれそうだが、ユーザーの視点からみれば、それは関係ない。理想型を見せられているから、チープな世界にガッカリするんだ。
メタバースの方向性を見極めないと、うやむやのうちにブームは終わってしまうぞ。