宇宙の誕生から、8億年弱の時代に、巨大ブラックホールがたくさん生成されていたらしいことが観測されたという。
驚きであると同時に、わずか8億年でそんなにブラックホールは成長するのか?……と思ってしまう。
宇宙初期に大量の巨大ブラックホール 愛媛大など、すばる望遠鏡で発見 – 毎日新聞
地球から約130億光年離れた83個の巨大ブラックホールを発見したと、愛媛大などの国際研究チームが13日、発表した。誕生から8億年の初期宇宙に、太陽の100万~100億倍の重さを持った巨大ブラックホールが数多く存在したことを初めて明らかにした成果という。
(中略)
最も遠いものは地球から130.5億光年離れており、宇宙誕生(約138億年前)から8億年弱しか経過していない。
チームの松岡良樹・愛媛大准教授(天文学)は「宇宙誕生からわずかの期間で、これほどたくさんの巨大ブラックホールが育っていたことに驚いた。初期宇宙の成り立ちを知る重要な手がかりになる」と話した。
恒星が超新星爆発をして、その結果、ブラックホールができる……というのが、通例の生成過程とされている。
つまり、まず恒星として燃える(核融合する)必要がある。
質量の大きな恒星ほど、早く燃え尽きて超新星爆発をする。
初期宇宙は、膨張を始めて間もないわけで、宇宙の半径も小さかった。
恒星の材料となる塵の濃度も濃かったと思われる。
で、たくさんの星が生まれ、質量の大きな恒星もたくさんできた。
太陽の100倍の質量の恒星は、200〜300万年で燃え尽きるといわれているので、そうした恒星がブラックホール化したのだろう。
8億歳の宇宙の膨張率はまだ小さいので、ブラックホール同士の距離も近かったと思われる。
それらが合体して、さらに大きなブラックホールになった……というところか。
だが、ちょっと待て。
そもそも宇宙は、ビッグバンで生まれるまで「無」だったわけだ。
138億年前のある一瞬に、無から爆発して、宇宙の材料である物質(反物質やダークマターも含む)が生み出された。
宇宙が晴れたとき、生み出された水素が集まって燃え始め(核融合)、最初の星が輝いた。
原初の宇宙は狭い空間に素粒子が密集していたのだから、恒星になる過程を経ずに、巨大質量が縮退してブラックホールになった……ということはないのだろうか?
ダークマターの存在と謎は解明されていないが、ビッグバンと同時に生成されたとするなら、原初の宇宙にもダークマターはあったはずだ。
発見されたブラックホールが、じつはダークマターである可能性はないのだろうか?
現在の膨張した宇宙では、ダークマターも拡散しているが、8億歳の宇宙ではもっと密集していたのではと思う。
密集したダークマターは、遠くから見るとブラックホールのように見えるのでは?
……などと想像してしまう。
観測できるかどうかは難問だが、今回発見されたブラックホールが恒星由来であるなら、その元となった超新星爆発がもっと古い時代に起こっているはず。
ただ、初期宇宙の光は、すでに現在の地球よりも遠くに通り過ぎているかもしれない。初期宇宙の膨張速度は、現在よりも遅かったからだ。
130億年前の光が観測できるということは、宇宙の膨張速度が光速よりも若干遅いため、130億年前の光が今、地球に追いついていることになる。
宇宙は……
ロマンだなー(^_^)。