#力の指輪
待望というか相当な力の入れようの「指輪物語」のドラマ化作品。公開の皮切りは2話分が配信された。
西洋ファンタジーの原点ともいわれる「指輪物語」だが、その中でも大昔の時代を舞台にしたのが「力の指輪」となっている。
【本田雅一のAVTrends】ついに配信「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」は何を描くのか – AV Watch
Prime Videoで独占配信するドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」。8話で構成されるシーズン1のうち、初日に公開されるのは第2話まで。5シーズン完結予定で全50話が制作されるというが、シーズン1だけでも4億6,500万ドル(原稿執筆時点での為替レートで約644億円)もの巨額製作予算が投じられている。
(中略)
“力の指輪”とは、ピーター・ジャクソン作品でも主要な役割を果たしていた“ひとつの指輪”のこと。映画では冥王サウロンとともに描かれている、あの指輪のことだ。今回のシリーズは、映画よりも2,000年前の時代、その力の指輪が鋳造された経緯、物語の中で最も栄えた王国・ヌーメノールの栄華盛衰、闇の台頭、エルフと人間が同盟しての最後の戦いが描かれている。
この記事は、制作者や俳優へのインタビューで、舞台裏を紹介しているので、いろいろと興味深い。
5シーズン・全50話と威勢がいいのだが、はたして予定どおりに行くか。途中で打ち切られ作品は多いからね。
- 過去の影 2022年9月2日(1時間5分)
シリーズの第1話目。ガラドリエルは、いにしえの悪の復活に不安を募らせる。 アロンディルはあることに気づき不安を覚える。 エルロンドには重要な仕事が打診される。一方ノーリはハーフットの掟を破ってしまう。- 漂流 2022年9月2日(1時間7分)
ガラドリエルは新しい協力者を見つける。エルロンドは古い友人から冷たい歓迎を受ける。ノーリはよそ者を一生懸命助ける。アロンディルは答えを探し、ブロンウィンは仲間に恐怖が迫っていると警告する。
2話分で映画1本分の時間。
第1話は、物語上のこの時代の背景を説明することに費やされている。そのため、少々散漫でインパクトに乏しい。原作を知らない人たちに配慮してのことだろうが、イントロとしては長過ぎの印象。
登場人物が多く、それぞれに種族が異なるから、頭に入れるべき情報量も多い。キャラクターの名前を覚えきれないよ。主要キャラ一覧を脇に置いておかないと、誰が誰だかわからなくなりそう。
以下のサイトを参照。
ドラマ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』のキャスト一覧 キャラクターを種族別に解説 | ciatr[シアター]
第2話から、物語は動き始める。
長い物語だから、スロースタートなのは仕方ないにしても、このペースで毎週配信はちょっとツライかもね。一挙配信で1年待つパターンの方がいい気がする。
ネットの反応を見てみると、ポリコレについての批判が多かった。
その典型例が、エルフにアフリカ系俳優が起用されていることだ。アロンディル役がそれ。
アロンディルは、「森のエルフ」ことシルヴァン・エルフの戦士という設定で、原作には登場しないキャラ。いちおう種族としてはエルフからの派生種族になっているようだ。
批判する人は「黒人のエルフはありえない」ということらしい。こういう発言が出てくるのは、人種問題が根深いことの現れでもある。ファンタジーの世界にポリコレを持ちこむかどうかの問題もあるが、日本人しか出てこない日本のドラマ・映画よりは健全とはいえる。
「指輪物語」の世界は、様々な種族がそれぞれのテリトリーで生きている。混血は可能なようなので、近い種ではある。ホモサピエンスとネアンデルタール人が共存していた時代のような感じだ。
文明の程度からいえば、帆船があり精巧な剣と鎧があり、洗練された都市を築けるほどの技術がある。中世ヨーロッパ(5世紀〜10世紀)の時代に相当するが、2000年経ってもあまり変化していないのは不思議。魔法あるいは魔術が存在するために、テクノロジーを進歩させる必然性がなかったということなのだろう。
ドワーフは地下資源を採掘する技術を持ち、地下都市を築いているので、技術力は高そう。であるにもかかわらず、種族としての地位はあまり高くない。
「指輪物語」では、火薬は存在し、花火として使われている描写があった。火薬があれば、それを武器に転用するのは必然のような気もするが、そうはなってない。
文明としては、アンバランスな世界なんだよね。まぁ、だからこそファンタジーなのだが。
長い物語なので、飽きさせずに視聴者を楽しませることができるか……だね。
ともあれ、お手並み拝見だ。