麻生首相の漢字誤読の一件で、資質を問われていたが、それに噛みついた民主党が墓穴を掘っている。
石井氏は、月刊誌「文芸春秋」の昨年11月号に掲載された首相の手記で使われた「就中(なかんずく)」など12個の漢字を並べたボードを用意し、「相当高度な漢字だ。これを隠して、どれだけ読めるかやってみたかったが、先に渡してあるから今なら読めるだろう」と首相を挑発した。
国会で議論するテーマとしては、ナンセンスだ。
今どき、パソコンやワープロソフトを使っていれば、知らない漢字でも変換してくれるのだから、漢字を知らなくても言葉として「読み」ができていれば漢字は書いてくれる。
誤変換というミスはあるとしてもね。
まして、出版物として出すときには、編集者や校正者が誤字脱字をチェックする。場合によっては、文章をいじることも当たり前に行われる。
出版物とは、そういうものである。
かの民主党議員は、出版の現場を知らないのだろう。
生のまま垂れ流されるテレビ映像とは違うのだ。
鬼の首を取ろうとしたのだろうが、墓穴を掘ったようだ。
たとえ、文盲であっても政治家にはなれるし、文盲の人が首相になってはいけないということはない。
問われているのは、どういう政治するか、どういう国づくりをするか、ということなのだ。
突くべき論点が間違っている。
次の政局では、民主党が政権を取る可能性があるとされているが、こういうことをやっていると、それも怪しい。
漢字の読み書きが政治家として重要であるなら、民主党議員全員に、漢字テストをすることをマニフェストに盛り込むべきだろう。