最低賃金が引き上げられるそうだが……
アニメーターなどの、低賃金の職種にその恩恵はあるのだろうか?
<最低賃金>初の700円超へ 厚労省審議会が目安額決定(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
08年度の最低賃金引き上げの目安額を決める中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は5日、最低賃金(現行時給平均687円)の引き上げ目安額を全国平均で15円程度と決めた。今年7月、「生活保護との整合性に配慮する」とした改正最低賃金法が施行され、最低賃金と生活保護費との乖離(かいり)額を目安に加えたため、最低賃金は初めて700円を超えるとみられる。
大手のアニメ制作会社は別としても、下請け、孫請けの会社は、完全歩合給のところが少なくない。
歩合給でも最低賃金を下回ってはいけないのだが、実際には払っていないところも多いはず。前にも書いたが、私がアニメーターをやっていたときは、最低賃金なんて無視されていた。それで、初任給が3万円だったのだ。1日10時間以上、月に25日以上働いてもこれだったのだ。
単純に、最低賃金で計算すると、新人アニメーターでも月収14万円になる。これだったら贅沢はできないが「普通に生活できる」
だが、普通に生活できないのが、末端のアニメーターなのだ。
最低賃金を守らなかった場合の罰則もある。
第五章 罰則
第三十九条 第三十四条第二項の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
たったの30万円である。
会社にとっては痛くもかゆくもない金額だろう。バレなきゃいいや、という感覚になっても不思議ではない。労働状況を定期的に申告する義務もないのだから、査察が入らない限りはわからない。
サービス残業も相変わらずだか、それも報告の義務がないし、罰則も軽い。つまりは、守らなくても、バレても、経営者にとってはたいした問題にはならない。
日雇い派遣の問題にしても、正規に雇用するよりも安上がりな労働力だから、企業は重宝している。
すべての原因は安すぎる賃金、経営者に有利な法律にある。
最低賃金が上がって、アニメーターの賃金が上がる……なんてことには、ならないだろうね。