先に取り上げた「恐竜とニワトリの関係」の記事についての、もう少しまともな日本語記事が出ていた。
私が原文記事から指摘した部分が補足されている。
時事ドットコム:恐竜の膠原質のアミノ酸配列が鳥類に近似=恐竜からの進化説裏付け
恐竜の膠原質のアミノ酸配列が鳥類に近似=恐竜からの進化説裏付け
【シカゴ12日】米国の古生物学者らが、6800万年前の肉食恐竜、ティラノサウルス・レックスの化石の脚部から採取されたタンパク質の小片が膠原質(コラーゲン)であることを確定し、そのアミノ酸の配列が鳥類のそれと似ていることを明らかにした。これは恐竜と鳥類が進化的に近い関係にあるとの説をさらに強化するものだ。研究論文は科学誌「サイエンス」に発表された。(写真は、スーと名付けられたティラノサウルス・レックスの化石)
この微小片は、米モンタナ州で2003年に発見されたティラノサウルス・レックスの化石の脚部の骨から既に採取されていたものだが、これまで、恐竜のコラーゲンのごく微量の痕跡だとは確定されていなかった。コラーゲンは数百万年の時を経れば分解してしまうというのがこれまでの通説だった。しかし、ノースカロライナ州立大学の古生物学者のグループは、化学的かつ分子的な分析に基づいて、これがほとんど検出されたことのない恐竜の軟組織の名残であるとほぼ確信するに至った。
同グループはさらに決定的な証拠を得るために、ボストンの医学校の生化学者ジョン・アサラ氏に協力を依頼した。同氏は1年半の研究の後に、このコラーゲンのアミノ酸の配列を決定することに成功した。このアミノ酸の配列を現在のさまざまな動物のそれと比較したところ、ニワトリのそれと似ており、それよりも少ない程度でカエル、イモリに似ていた。
近年、恐竜と鳥類とは進化的に近い関係にあるとの仮説が出されて論議を呼んでいるが、アサラ氏らは、この発見はその仮説を補強し、仮説から学説に変えるものだと主張している。アサラ氏は、「ほとんどの人は鳥類は恐竜から進化したと考えているが、その根拠はこれまで骨格の構造によるものだった。しかし今回の発見によって、今後はアミノ酸の配列が近似しているからだと説明できる」と語っている。 〔AFP=時事〕
このくらいの内容がないと、記事としては不十分だと思う。
これでも、要約なのだ。
ちなみに、上記記事ではT-Rexの写真として、「スー」を取り上げているが、検証の対象となったのは「スー」ではない。
その点は、注意書きすべきじゃないかな。