桜が満開になったかと思ったら、強風と雨で早くも散ってしまった。しかも、4月になって都心でも降雪があり、ぽかぽかの春からブルブルの冬に逆戻り。週末の天気もよくなかったので、桜の名所へ撮影にも行けなかった。
春といえば、花粉症の季節でもある。私は花粉症ではないが、症状の出る人は大変そう。
多くの人が花粉症になっているが、花粉症は花粉だけでは発症しないらしい。
花粉症の原因は車の排気ガスだった!農村部より都会のほうが花粉症患者が多いワケ | ビジネスジャーナル
スギ自体は農村地帯に多いのに、花粉症で苦しんでいる人は、東京などの大都市やその周辺に多いのです。なんとも不可思議です。戦後、スギの植林が政府の施策として進められ、それらが成長したためにスギ花粉が増えたといわれていますが、それだけではこれらの疑問は解けません。スギ花粉以外に、何か原因があるのではないでしょうか。
(中略)
これは、花粉症の発生に自動車の排気ガスが深くかかわっていることを意味しています。つまり、花粉症を増加させている主原因は、スギ花粉よりも自動車の排気ガスであることがわかったのです。
(中略)
この実験から、花粉だけでは花粉症は発生せず、ディーゼル車の排気ガスが加わると発症することがわかります。
ということは、花粉症は排気ガスが触媒のような役割をして発症するということかな?
私が子どもの頃は、まだ花粉症は一般的ではなかったし、マスクをする人も少なかった。いつ頃から問題になったかと調べてみると……
1970年代中頃からスギ花粉症患者が急増した。特に関東地方共通のできごととして1976年に第1回目の大飛散があり、その後1979年、1982年にもスギ花粉の大量飛散と患者の大量発症があり、全国的ではないにしろ、ほぼこの時期に社会問題として認知されるに至った。
……1970年後半頃からということだが、私が上京してきたのは30年前(現在年からは39年前)で、その頃はまだ花粉症の人は少数派だったと思う。思い起こせば、その頃はインフルエンザが流行していても、マスクをする人も少数派だったなー。マスクをすること自体に抵抗があった時代だった。
近代化以前にも、花粉症と思われる事例の記録は残っているそうだが、それはなぜかと考えると、排気ガスでなくても薪を燃やしたときの煙とか、黄砂のような砂塵なども、排気ガスに類似した化学物質を含んでいるのかもね。
花粉症は、腸内に寄生虫がいるとなりにくいという。寄生虫がアレルギーを抑制する物質を出しているとか。寄生虫に詳しい、藤田紘一郎先生の話。
寄生虫の駆逐によってアトピーや花粉症が登場 – WEB講義 – 緑のgoo
日本人の清潔志向が何をひきおこしたか? まず、アトピーや花粉症が増えました。35年前にはほとんど見られなかったのに、花粉症などはいまや日本人の5人に1人が悩む国民病です。アレルギー疾患の増加は、寄生虫や結核に感染しなくなったことと深い関係があるというのがぼくの持論です。
この説、学会では最初のころは無視されたんですが、西ドイツでも、旧東ドイツとの比較によって、「花粉症の急増した原因は寄生虫の減少にある」とハンブルク大学の研究者が結論づけています。
──われわれの考えている「衛生的」ということは、必ずしも人間の健康に適しているとは限らないんですね。
藤田 そうでしょう?これは寄生虫が何かいいことをしているんじゃないかと思って、一生懸命に寄生虫をすりつぶしてそこからアトピー等を予防する物質を抽出しました。回虫などがアトピーや花粉症を予防していることを20年くらい前に立証して、アレルギー学会でもしゃべっているんです。でもほとんど無視されました。「今時、寄生虫なんて・・・」というわけです。
私が小学生の頃は、寄生虫検査はよくやってたね。検査で引っかかって、虫下しを飲まされたこともある。昔は、野菜を生で食べれば、寄生虫の卵を一緒に食べてしまうことが多かったんだね。だから、昔の家庭科の授業で、野菜を洗剤で洗うことを教えていた。今では考えられないことだが、そういう無茶苦茶をやっていたんだ(^^)。検便で便を持っていくなんてことは、現在では行われていないそうだ。
潔癖症にはなったが、それと引き替えに花粉症やアトピーになってしまう人が増えた。どっちがいいかでもある。
花粉症には、腸内細菌も関与しているという。
スギ花粉症と腸内細菌:医薬ジャーナル社, Iyaku(Medicine and Drug)Journal Co., Ltd.
私達が最も接する機会の多い微生物は腸内細菌であろう。腸の表面積は400 m3でテニスコート2面分に相当する広さであり,そこに生息する腸内細菌は分っているだけで約300種,約100兆個と考えられている。私達の腸管の免疫担当細胞数は2,000億個で全末梢リンパ球の60~70%とされ,腸内細菌はパイエル板を介して,免疫系の発達に強い影響力を持っている。また,腸内細菌がアレルギーの発症に深く関わっていたり,ある種の腸内細菌を摂取することでアレルギー症状の緩和が認められるとの数多くの報告がある。
抗生物質を多用することで、耐性菌が出てきたりして問題になっているが、抗生物質は腸内細菌も死滅させてしまう。
抗生剤(抗生物質)と腸内細菌と子供の病気 -ふかざわ小児科福岡市東区
病原菌を殺してしまう抗生剤は、病原菌だけでなく腸内細菌にも影響します。このため、抗生剤を飲むと腸内細菌のバランスが崩れて下痢が起きやすくなります。
子どもへの抗生剤投与は腸内細菌に対する影響が大きく、喘息やアレルギーになりやすくなるという研究報告が次々と出ています。世界で最も権威のある米国小児科学会誌の2009年号に「小児への抗生剤投与は喘息の発症を増やす」という論文が掲載されました。25万人もの子どもたちを出生直後から5年間追跡調査した大規模な研究です。この調査で子どもに抗生剤を投与すると喘息になりやすくなること、さらに抗生剤の投与日数が増えるほど喘息になりやすくなることが分かりました。
人間は生物である以上、良くも悪くも細菌や寄生虫と共生してきた。それは数百万年の進化の過程で培われた生物としての営みだ。その関係性を否定して、潔癖症に走ってしまったのが現代。
関連して、食品添加物に関する危険性についての記事があった。
コンビニのパンは超危険?見えないかたちで大量の添加物、健康被害の恐れ | ビジネスジャーナル
「弊社では、コンビニエンスストアチェーンと取引のある製パン業者の注文を受けてpH調整剤を製造していますが、サンドイッチに添加するpH調整剤の量が非常に多いのです。そこで、製パン業者に『もう少しpH調整剤を抑えて使ったほうがいいと思いますよ』と進言したのですが、『コンビニチェーンからの要求ですから』と受け入れられませんでした。pH調整剤は“日持ち向上剤”ともいわれ、食品の腐敗を防ぐ役目があるのですが、あんなに多量に添加すると、食べた人の健康保持に不可欠な腸内細菌の善玉菌まで殺しかねないと、心配しています」
(中略)
pH調整剤に使われている添加物の中で、特に問題なのはリン酸塩である。リン酸塩の過剰摂取は、ヒトの腸管から血液中にカルシウムが吸収されるのを妨げてしまう。血液中のカルシウムが不足すると、血液のpHを保つために骨からカルシウムが溶け出す。そのカルシウムが神経細胞内に溜まると、イライラや神経過敏を引き起こすといわれている。いつもイライラしたり、突然キレる人が非常に目立っているのも、リン酸塩の過剰摂取が一因にあるとの指摘も多い。また、リン酸塩はカルシウム以外のミネラル(微量元素)の吸収も阻害する。特に亜鉛を体外に排出してしまう。亜鉛は脳が正常に働くために必要不可欠なミネラルで、亜鉛不足もキレる現象につながっているともいわれている。
ここでいう「pH調整剤が….腸内細菌の善玉菌まで殺しかねない」のくだりは、少々誤解を招く表現だと思う。食品のpHを弱酸性にしたからといって、それで腸内細菌が死ぬわけではない。それをいったら、酸性の食べものはダメってことになってしまう。
そうではなくて、「リン酸塩の過剰摂取」が問題だと思われる。
リン酸塩のなにが問題かというと……
縮合リン酸はその特徴である緩衝作用,金属イオンの封鎖性,pH調整作用,魚介類缶詰のストラバイド防止作用などにより,食品添加物として広く利用されている。FAO/WHO合同専門委員会は縮合リン酸塩はそのままでは殆んど腸で吸収されず糞中に排泄されるので,その毒性は考慮しなくてもよいと報告している。しかし,消化管内で腸内細菌叢の働きなどにより1部モノリン酸塩に分解されるために,その毒性はモノリン酸塩と同様に考えるべきであるとし,縮合リン酸塩が全部モノリン酸塩に分解されるという最悪の場合を考慮して,人間に対する許容1日摂取量を条件つきで30~70mg/kgと決めている。
……と、ここで出てくる「モノリン酸塩」というのが、よくわからない。モノはMonoのことだろうから、「一リン酸塩」だと思うが、これは総称的な呼び方で、「第一リン酸塩」あるいは「リン酸一ナトリウム」ともいうらしい。そのどれの毒性をいっているのかわからない(^^;)。
リン酸塩には様々な種類があるようで……
製品名
用途
リン酸二水素ナトリウム(結晶・無水)
【別名】
第一リン酸ナトリウム
リン酸一ナトリウム発酵、缶詰、チーズ等乳化剤、食肉結着剤、ベーキングパウダー、pH調整剤、清缶剤、染料分散剤、金属表面処理剤
リン酸水素二ナトリウム(結晶・無水)
【別名】
第二リン酸ナトリウム
リン酸二ナトリウム発酵、缶詰、チーズ等乳化剤、食肉結着剤、かんすい原料、清缶剤、pH調整剤、金属表面処理剤、染料分散剤
リン酸三ナトリウム(結晶・無水)
【別名】
第三リン酸ナトリウム
リン酸三ナトリウム
輸出時のUN袋対応可能発酵、缶詰、チーズ等乳化剤、食肉結着剤、清缶剤、pH調整剤、染料分散剤、金属表面処理剤、洗浄剤
ピロリン酸四ナトリウム(結晶・無水)
【別名】
ピロリン酸ナトリウム酸化防止剤、かんすい原料、保水材、分散剤、金属イオン封鎖剤、清缶剤、金属表面処理剤
ピロリン酸二水素二ナトリウム
【別名】
酸性ピロリン酸ナトリウムpH調整剤、ベーキングパウダー、染色助剤、金属イオン封鎖剤、清缶剤、金属表面処理剤、水処理剤
トリポリリン酸ナトリウム
【別名】
ポリリン酸ナトリウム保水剤、食肉結着剤、分散剤、清缶剤、金属表面処理剤、合成洗剤ビルダー、染色助剤、洗浄剤
テトラリン酸ナトリウム
【別名】
ポリリン酸ナトリウム保水剤、食肉結着剤、分散剤、洗浄剤、金属表面処理剤
ヘキサメタリン酸ナトリウム
【別名】
メタリン酸ナトリウム保水剤、食肉結着剤、染料分散剤、洗浄剤、金属表面処理剤、防錆剤、イオン封鎖剤
酸性メタリン酸ナトリウム
【別名】
メタリン酸ナトリウムイオン封鎖剤、pH調整剤、酸化防止剤
あははは……(^_^)b……もう、わけわからん。
余談だが、私にとっては、リン酸塩というと「リン酸塩鉱物」が浮かぶ。
モナズ石、燐灰石、藍鉄鉱、トルコ石、アンブルゴ石、バリッシャー石、燐灰ウラン石、ゼノタイム、銀星石、カコクセン石……etc。これらすべて、鉱物標本として持っている(^^)。鉱物としては、綺麗なものが多いんだよね。
ともあれ、食品添加物としてph調整剤の有無を問題にしていたら、食べるものがなくなってしまうのが現実。
見た目や保存性を優先しているために、食品添加物が重宝されているわけで、これも過度の潔癖症の弊害だとはいえる。数十年かけて、人体実験しているようもので、食品添加物が多く使用されるようになった昭和30年代以降に生まれ育った世代は、長生きしないんじゃないかと思うよ。