ネットの情報には、デマやフェイクニュースがあるから気をつけよう……といわれる昨今。
イタズラや悪意あるネットユーザーが発信するのならわからないでもないが、まさかマスメディアの大手である朝日新聞がフェイクニュースを流していたら、なにを根拠に情報の真偽を確かめればいいのか?……という話になってしまう。
朝日新聞、ツキノワグマの写真と記事を取り消し 山梨面に掲載 | 毎日新聞
朝日新聞は14日付朝刊山梨面で、12日付の「ツキノワグマ遭遇 思わずパチリ」の記事で、登山中の女性が撮影したとして掲載したツキノワグマの写真は「取材を受けた人が撮影したものではありませんでした」として、この記事と写真を取り消した。写真は女性が撮影したものとして提供を受けたが、過去に同紙が長野県から提供を受けて紙面化した写真と同じだった。同社は「掲載にあたり、確認が不十分でした」としている。
記事は山梨面のほか、同社のニュースサイトに掲載された。山梨県富士吉田市の「新倉山浅間公園」上部の山中で7月、登山中の女性が成獣と思われるツキノワグマを目撃したとする内容。女性がスマートフォンで撮影したとして「新倉山の標高1100メートル付近で撮影されたツキノワグマ」と説明する写真を掲載し、登山者に注意を呼び掛けていた。
……ということで、その元となったフェイクニュースがどんなのだったのか、見てない人は気になるよね。
ということで、ネットから発掘。
残している人がいるんだね。
こういうのはネットの利点。
新倉山の標高1100メートル付近で撮影されたツキノワグマ=2021年7月30日午前9時47分、山梨県富士吉田市新倉の新倉山浅間公園、フルーレ・ノミンさん撮影
山梨県富士吉田市の「新倉山浅間公園」上部の山中で7月、登山中の女性が成獣と思われるツキノワグマを撮影した。同公園は平日でも1日約300人が訪れる富士山の景勝地。撮影場所は、40分ほど登った山中だが、女性は「公園の上はクマの生息地。登山の時は注意して」と呼びかけている。
撮影したのはモンゴル人のホテル従業員、フルーレ・ノミンさん(37)。動物や自然が好きで、休日に富士北麓(ほくろく)で登山を楽しんでいる。
目撃した場所は公園から三ツ峠山(1785メートル)に通じる登山道の途中で、新倉山(1180メートル)の山頂付近。7月30日朝、ひとりで山頂から下山中、枝のポキポキ折れる音で約50メートル先にいたクマに気づいた。とっさに、ズボンのポケットにあったスマホで1カットだけ撮影し、怖かったので足早に下山したという。
市農林課によると、三ツ峠山のある御坂山地はクマの生息地。登山道には、「クマ出没注意」の看板を掲げている。付近の山中にはニホンザルやニホンジカも生息し、自然豊かな地域だ。
3年前から公園の清掃・管理をするシルバー人材センター職員の白須幸夫さん(79)によると、公園付近でクマが目撃されるのは「めったにない」という。一方で、互いに気付かず出くわした場合は、驚いたクマに攻撃される恐れもあるため、「公園から登山する時は笛やラジオを鳴らすなどして、出合い頭の接触を避けて」と呼びかけている。(河合博司)朝日新聞社
この記事が転載されていた時点では、フェイクニュースとは公表されていなかったようだ。
同じ写真だと指摘された過去記事が以下。
クマに死んだふりは有効か 8回襲われた専門家の教え:朝日新聞デジタル
全国でクマが人里に出没し、人を襲う事件が相次いでいる。今月中旬には石川県のショッピングセンターに現れ、射殺された。もしもクマに遭遇したらどうすればいいのか。目を離さずに静かに後ろへ下がるなどの方法が報道されているが、よく言われる「死んだふり」は効果があるのだろうか――。専門家に聞いてみた。
色調を変え、トリミングした写真だね。
スマホで撮ったというわりには、ずいぶんとズームアップされていて不自然。50m先って、けっこう距離あるよ。
で、これに関するネットのコメント合戦で問題になっているのは……
論点はこの4点。
朝日新聞は、つい先日もフェイクニュースを流したとして謝罪していた。
→ 「灘高OBがサイト開設」と報道→別人だった 朝日新聞社が謝罪「見出しと記事ともに不正確でした」
謝罪の言い方が素直じゃないんだよね。
「不正確だった」「確認が不十分だった」ではなく、「嘘でした」「フェイクニュースでした」というべきだろう。
ネットのフェイクニュースに対しては厳しい言葉を浴びせるのに、自社のフェイクニュースには甘い。
些細なニュースかもしれないが、こういうことがあると朝日新聞は信用できなくなる。というか、すでに疑いの目で見るようにはなっているが(笑)。
紙名を「朝日捏造新聞」と改名した方がいいかもしれない。
それであれば、面白ネタとして笑って許してくれると思う。