「人流増えて感染者急減」は謎でもなんでもない

私の予想通りの展開で、8月末から新規感染者数は減少に転じた。
参考→「2021年12月30日、31日、コミケ99は開催できるか?
この記事中で、「第5波は、役に立たない緊急事態宣言でも、8月末には衰退期に入ると予想する」と書いた。
それが現在の状況だ。

これに関連して……

麻生太郎氏、橋下徹氏もツッコんだ「人流増えて感染者急減」の謎 説明できぬコロナ分科会 | 東スポのニュースに関するニュースを掲載

東京都が21日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は253人となり、今年6月21日以来、3か月ぶりに300人を下回った。9月に入ってから急激に感染者数は減少。政府は同日、19都道府県に発令している新型コロナウイルス緊急事態宣言について、今月末の期限での解除に向けて検討に入った。28日に新型コロナ感染症対策本部会合を開き正式決定する。一方で、分科会が主張してきた人流抑制について、多くの識者たちから疑問の声が上がっている。

いったい、何が原因で感染者数の急激な減少をもたらしたのか?

政府と分科会は当初から、人流抑制が新型コロナ感染予防の最重要課題と位置づけて、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発令してきた。昨春の第1波には人流抑制が功を奏したかに見えたが、ここにきて状況が変化。人流抑制と感染者数の相関関係に大きな疑問符がつくことになった。

ということだが、謎でもなんでもなくて、緊急事態宣言を出しても出さなくても結果は大差なかったと思う。

その理由は、ウイルスの生物としての増殖限界だ。

テレビにもちょくちょく出ていた感染症数理モデルの専門家は、感染者数の増加予測で天井知らずに増えるグラフを示していた。
「それはありえない」と私は苦笑した。
ほんとうに専門家なのかと思ってしまうが、無限に増殖することは生物としてありえない。
その大前提を無視していた。

ある生物が、ある環境の中で繁殖または増殖するのには、おのずと限界がある。
これは人間についても同様で、地球という環境の中で人口増加できる限界というのがある。日本は人口減少に転じたが、世界人口もそう遠くない未来に減少に転ずる。もはや増殖限界に達しつつあるからだ。

種によって増殖限界は異なるが、COVID-19の場合は、これまでの経過から、1つの株に対して4〜5か月くらいが限界のようだ。
デルタ株が勢力を増してきたのが5月頃だったので、4か月経った9月現在は衰退期に入っている。デルタ株そのものが勢力を盛り返すことは考えにくく、第6波が来るとすれば別の株のラムダ株やミュー株になるだろう。

昨年から今年にかけてはインフルエンザが流行しなかったが、2019年以前は年末の11月頃から流行が始まって、翌年の2月頃に衰退していた。
これも約4か月の期間だ。
インフルエンザの場合は、マスクをする人もワクチン接種も少なかったし、緊急事態宣言を出すこともなかった。人々は普通に日常生活を送っていたが、特別なことをしなくても春までには終息していた。
それもウイルスの増殖限界が理由だ。
インフルエンザウイルスも変異はするが、COVID-19ほど適応力がないために、置き換わるほどの勢力にはならなかっただけなんだ。

仮に次の第6波が来たとしても、4か月後には衰退期になる。
10月末から第6波が始まるとすれば、翌年の2月末までは辛抱が続くことになる。
そういうタイムスパンの予測ができれば、対策の立て方もあるというもの。

一介の科学ファンの私ですら思いつく仮説なのに、専門家の先生方が「謎だ」などと言っているのが情けない。
それと、COVID-19は主たる感染経路は「空気感染」だよ。
それを前提に考えないと、無駄で逆効果の対策をすることになってしまう。
いい加減に学習しようよ。

諌山 裕

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