五輪開催に否定的な世論が高まり、IOC幹部の暴言などもあって、菅首相や小池都知事が「中止」のカードを切るのでは？……との憶測も出ていた。
しかし、中止の風は弱まったようだ。
「五輪中止の選択肢はない」言い切る官邸 専門家はクギ – 東京オリンピック [新型コロナウイルス]：朝日新聞デジタル
日本選手団へのワクチン接種もこの日開始され、大会への準備は加速している。医療体制への負荷や感染状況の予測が難しいことを踏まえ、「五輪が国民のためになるのか」（閣僚の一人）との危惧もあるが、官邸幹部は「中止の選択肢はない」と言い切る。
菅首相および自民党の目論見としては、オリ・パラを無事に開催して、日本中が熱狂している勢いで解散・総選挙で自民党圧勝、そして菅政権の存続を狙っているのだろう。
そのシナリオの大前提は、五輪が無事に終わること、成功したという実績を政権が手に入れることだ。
しかし、逆の場合……
……と、このような場合には、五輪は人災となる。
五輪を強行した政権は責任を問われるだろうし、選挙では大敗するかもしれない。
とはいえ、政府はIOCに責任があるといい、IOCは日本に責任があるといい、東京都は政府とIOCに責任があるといって、責任の押し付けあいになるのは容易に想像できる。
政府はこのギャンブルに勝てると見込んでいるのだろう。
勝率をどのくらいに見積もっているのかしらないが、６：４以上で勝てると思っているから開催を強行するつもりだ。
戦時中のインパール作戦も、戦艦大和も、特攻隊も、勝てると見込んでやった戦いだったのだが……。
だが、こればかりはやってみないとわからない。だからギャンブルなんだ。
丁か半か？ サイコロを振ってみないと結果は出ない。
金メダルに熱狂することになるのか？
それとも感染拡大の惨劇に目を覆うことになるのか？
後者の場合は、菅政権も自民党も瓦解する。
そして、今世紀最大の人災として歴史に刻まれるのかもしれない。
勝率は五分五分だと思うね。