二度目の緊急事態宣言を出しても、特に目新しい効果的な対策を取らずに、ずるずると延長してきた。
新規感染者数が下げ止まった状態だが、宣言は解除するらしい。
現状のままでは、劇的に改善する根拠がないから、対策そのものの限界を露呈している。
宣言解除の方向で調整 18日に判断 尾身氏「感染対策変える必要」
また、政府関係者は、「宣言をこれ以上延長しても、効果が薄れるだけだ」とし、解除後の対策に力を入れる考えを示した。
政府分科会の尾身会長は、「宣言が解除されるかどうかにかかわらず、これまでの感染対策を変える必要がある」と話す。
「感染対策を変える必要」というが、なにをどう変えるのか?
「科学的知見に基づいて」ともいわれるが、予防効果がほぼゼロの布マスクおよびウレタンマスクを容認・放置しているのでは、対策にはならない。
ウレタンマスクは効果がないと報じられても、いまだに2〜3割の人はウレタンマスクを使用しているようだ。マスクの効果は限定的ではあるが、ウレタンマスクはマスクなしと同等なのだから、対策をしていないことになる。
これを問題にしないのはなぜなのか?
まさか、ウレタンマスクメーカーへの配慮じゃないよね?
また、いまだに権威ある専門家たちは、空気感染を認めていないのもおかしい。
空気感染を前提としないと、対策が対策にならない。
こんな甘い認識では、効果が出るはずもない。
危機管理は最悪の事態を想定するところから始まるのだから、新型コロナの感染対策では空気感染するという最悪の事態を想定しないといけない。
飲食店が悪者扱いされてきたが、飲食店でウイルスが湧いているわけではなくて、感染者が飲食店に来て感染を広げている。その感染者はどこで感染したのかを突きとめないと、根本的な解決にならない。
そこの追跡ができないために、感染源が特定できないことになっている。
これまで想定されてきた感染ルートの盲点が、ここにある。
おそらく、その盲点は電車やバスなどの、公共交通機関だろう。
宣言下でも満員電車は相変わらずだったし、電車に限ってはソーシャルディスタンシングは適用されてこなかった。電車は3密の条件がそろっていた。
空気感染を前提とすると呼気にもウイルスが含まれるため、あれだけ密集した中で無症状感染者と10〜15分も乗っていれば、マスクの効果はほぼゼロでありウイルスは吸い込んでいると思われる。
「電車を止めろ」と過去記事に書いたが、もっとも効果的だろう最終手段を、いまだ試していない。
結局のところ、感染対策の徹底よりも経済を優先したということだ。
経済も重要だから、どっちに重きを置くかの選択でもある。
経済的困窮から貧困や死に至る人たちと、コロナに感染する人たちの両方を救えるのが理想だが、感染対策と経済活動は著しく相性が悪い。
結果、感染対策も経済対策も中途半端。
両方救うどころか、両方とも救えていない。
「新型コロナ、4か月サイクル説」で書いたように、変異株が勢力を増しつつある。
宣言の解除の是非にかかわらず、次のピークに向かって進行していくと予想される。
「感染対策変える必要」で、なにを変えるのかだ。
これまでの政府の対応から推察するに、これといって決め手は出てこない気がする。
いいかげん、「手洗い、マスク、3密を避ける」では、対策にあまり効果がないことを自覚した方がいい。
それしかやりようがないとしたら、第4波は防げないと思うよ。
ワクチン接種が一番有効な対策ではあるが、国民の6割以上に行き渡るのに、どれだけ月日がかかるか。
早くても年内一杯はかかりそうだから、まだまだ試練は続きそう。