昨日の壮行試合だったはずのU-23のニュージーランド戦。
なんとも情けない試合だった。
若い世代とはいえ、世界相手の経験不足が随所に見られた試合だった。
決定力不足は日本の長年の課題ではあるが、この点に関しては強豪国でもいわれることなので、どこの国でも課題ではある。サッカーは1~2点で勝敗が決する場合が多いから、その1~2点を取れるかどうかだ。
EURO 2012でハイレベルな試合を見ていて、なによりも違いを感じたのは、パスのスピードと正確さだった。
距離の長短に関係なく、スコーン、スコーンとパスが通る。
日本のA代表でも、パススピードは速くなっているが、それ以上だ。
しかし、U-23ではパスがトロい。
ボテボテのノロいパスだから、易々とカットされる。
なんで、あんな緩慢なパスをするのかわからない。
Jリーグではそれで通ってしまうから、感覚的に鈍くなっているのだろう。
そこが、世界相手の経験が足りないといわれるゆえん。
1998年のW杯フランス大会の時の日本代表は、やはりパススピードが遅かった。当時、見ていてスピード感のないパス回しにイライラしたものだ。
あれでは勝てない。
そのときの感覚に似たものを、昨日のU-23に感じた。
一番足りないのは、スピード感だろう。
もっと速く、もっと正確に。
とはいえ、一朝一夕に解決できる問題でもない。
試合後、ピッチに倒れ込んで悔しがっていた大津が印象的だった。
彼は自分が決めきれなかったことを悔しがっていたのだろうが、彼がもっとも世界レベルのスピードを発揮していたと思う。
親善試合で、ここまで悔しがるのは珍しい。逆に、あまり悔しがっていないように見える他の選手達の危機感が乏しいのが気になる。
大津祐樹「この引き分けは負けに等しい」=U-23ニュージーランド代表戦後選手コメント(スポーツナビ) – ロンドンオリンピック Yahoo!スポーツ×スポーツナビ
(決定的なチャンスが多くいつか入ると思ったが?)チャンスが多いってのはいいことだと思いますが、でも結果に結びつかなかったら意味がない。いい形で攻撃はできたんで、次にはつながった試合ですけど、1試合1試合大切にしていきたいってことを考えたら、この引き分けは負けに等しいというか、勝ちたかったという気持ちがすごい強いです。
「メダルどころじゃない」と厳しい論調の記事もあったが、実際、厳しいだろうね。
W杯南アフリカ大会の時も、直前の練習試合で結果を出せずに、グループリーグ突破も危ぶまれたが、あのときは本田と松井というジョーカーがあった。
しかし、現在のU-23にはそういうジョーカーがない。ジョーカーになりえた選手の招集は見送られたので、奥の手がない。
オリンピック本番では、グループリーグを突破できれば御の字。メダルは……遠いだろう。
初戦のスペイン戦でボコボコにされたら、3戦全敗。
初戦をドローにこぎつけられたら、3戦ドローにはなれるかも。ひいき目に予想して、1勝0敗2分くらいで、グループリーグを突破できればいいね(^_^)。
いずれにしても、応援はしているのだよ。
彼らが、いずれは将来のA代表を担うからだ。
そして、私が生きているうちに、W杯優勝の瞬間を経験させてくれ(^_^)
それが、願いなのだ。