アニメ「坂道のアポロン」で泣けた…

 もう、放映は終わってしまったのだが、放映中は見てなくて……というか、やってるのを知らなくて、見ていなかった。
 最近、アニメの新番組をチェックしきれなくなっている。
 以前は、すべての新番組をチェックして、継続して見るものと、見ないものを選別していた。
 しかし、最近は、見る時間そのものが厳しくなって、見る余裕がなくなってしまった。

 そんなわけで、「坂道のアポロン」は見ていなかった。
 それが、この作品についての記事を読んで、無性に見たくなった。

すまない、ジャズ以外は帰ってくれないか! 一秒の何十分の一のスウィング「坂道のアポロン」(エキサイトレビュー) – エキサイトニュース

小玉ユキ「坂道のアポロン」のアニメ化です。監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子という、『カウボーイビバップ』のコンビでのアニメーション。1966年代、厭世観と人生への鬱屈を溜めた優等生の西見薫が、暴れん坊の少年川淵千太郎と出会うことで、飛び出すことを発見する……」

 この記事もそのひとつだが、ほかの記事でも同じように絶賛していた。
 私は「音楽もの」の作品に弱い。
 音楽を通して青春している物語に……弱い。
 映画でもアニメでも、音楽が重要な要素になっていると……感動してしまう。
 音楽は好きだ。
 音楽をやりたかった。楽器を弾きたかった。バンドをやりたかった。
 ……しかし、それはかなわなかった。
 音楽をやる時期というのは、タイミングがある。たぶん、それは中学~高校の頃。
 その時期に、音楽や楽器に出会って、音楽を一緒にやる仲間に出会う必要がある。
 私には、その機会がなかった。
 その頃、私は音楽ではないものに夢中になっていたのだ。やりたいことはたくさんあったが、できることには限度がある。どれを優先するか……というより、どれに巡り会ったかの違い。
 私が音楽ではなく夢中になったのは、SF小説とイラストレーションだった。
 その選択が、のちのちに仕事へとつながっていったのだが……

 音楽はずっと憧れだった。
 自分で曲を作ってみたいとか、ギターを弾いてみたいとか。
 今でもときどきメロディが浮かぶ。記憶の中にある既存の曲の一節なのか、オリジナルのメロディなのかの区別はつかないが……ほぼ自作のメロディ。
 だが、そのメロディを書きとめる術がない。表現する手段がなかった……つい最近までは。
 DTMができる環境を整えたことで、ある程度音楽を表現できるようになった。足りない知識や弾けない楽器は、アプリケーションが補ってくれる。Macintoshさまさまだ。
 そのDTMも、最近は時間がなくて没頭できなくなっている。DTMをやり始めると、何日も徹夜するくらい没頭してしまう。昼間はサラリーマンなのに、そんな無茶苦茶はできないだろう……と自分に突っ込みを入れてしまう。

 本題から離れてるな(^^;)
 つまりだ。
 「坂道のアポロン」は、私が憧れた青春時代の音楽の話なのだ。
 私はジャズではなくロック小僧だったが。あのとき、絵筆でなくギターを持っていたら、音楽に走っていただろう。
 音楽が彼らを結び、音楽で共感する。
 ああ……
 音楽って素晴らしい。
 そう……そうだよね。その気持ち、痛いほどわかるよ。
 第7話「ナウズ・ザ・タイム」は、武者震いして、ボロボロ泣きながら感動した。学園ものでは定番の文化祭ネタだが、そのステージでの即興が素晴らしかった。
 ああ、これに似たものに、「涼宮ハルヒの憂鬱」の第12話も文化祭でのコンサートだったが、あれにも泣けた。この回だけ録画を残してある。

 じつは、「坂道のアポロン」の放送は終わっているから、ネットで探して動画を見たのだ。国内ではなく海外の動画サイト。字幕が英語だったりスペイン語(?)だったりしたが。
 どんな作品なのか、ちょっと見るつもりだったのが……
 一気に、一晩で12話を見てしまった。
 なので、今日は徹夜だ。
 なにやってんだか……

 見終わって……
 切ないけれども、充足感があって……
 ああ、見てよかった。
 いい作品に出会えた……と、感動した。
 恋の物語は、なかなか辛いものがあったが、まぁ、それが青春さ(^_^)
 ま、年齢だけの問題ではないのだけどね。恋はいくつになっても難しいし、ときに切ないもの。

 物語の時代は60年代なのだが、私が高校生だったのは70年代。わりと近いので、共感できる部分も多い。
 ケータイなどない時代だし、電話ですら家にあるもので個人のものではなかった。コミュニケーションはアナログだけだし、直接会って話をするしかない時代。
 そういう意味では、男と女はストレートに接することでしか「恋」を発展させることはできなかった。古き良き時代……ではあるのだが、純粋でいられた時代なのかもしれない。

 自分には経験できなかった、音楽を介した青春時代。
 夢中になり、恋に一喜一憂して、ときに挫折し、まっすぐに突っ走って……
 走って走って……
 走った先に、なにかがあると信じて。
 そう。
 そんな思いを、忘れちゃいけないんだよね。

 私も……
 まだ走り続けたいものだ。


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 もう一度見たい。
 今度はレンタルか、Blu-rayを買うかするよ。

諌山 裕

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