iPadの登場により、電子ブックが注目を集めているが、電子ブックになれば出版社や印刷所を中抜きできる。
それは作家直販を可能にする……と、前にも書いた。
※参照→「電子ブックは「作家直販」を可能にする」
その先鞭となる電子ブックが出版されるというニュース。
「桜坂洋が書くデビルマン」収録 作家発・出版社なしのiPad/iPhone電子書籍「AiR」発売 – ITmedia News
「もはや出版社でなくても本が出せる。書き手が集まり、面白いことができれば」??作家や漫画家など個人が集まって企画・執筆・編集したiPhone/iPad向けオリジナル電子書籍「AiR」(エア)の先行配信が6月17日にスタートした。
「AiR」……って、うちのSFサークルの名前が「NOVEL AIR」なんだよね(^_^)。
まぁ、いいけど。
AppleのAppStoreは、その検閲的な姿勢や閉鎖性が問題視されてもいるが、市場を作り出した功績は大きい。
追随するGoogleのGoogle EditionsやAndroid向けコンテンツのマーケットは、まだまだ勢力としては弱い。
AppStoreの規制の厳しさにうんざりして、コンテンツホルダーが離れつつあるとのニュースもあるが、Googleは規制はしない方針のようだ。もっとも、規制をしない自由をどこまで許容できるのかは不透明ではある。Appleも最初から厳しかったわけではなく、市場の広がりとともに規制が強化されていったからだ。
新しいメディアが誕生したとき、活性化の陰の主役になるのは「エロ」だというのは、過去の歴史だ。メディアが成熟するにつれて、エロは片隅に追いやられて、いわゆる芸術的・文学的・一般的な作品が売れ始める。
Googleの電子書籍マーケットが、ある程度の成功をおさめるようになれば、審査なしの野放し状態はできなくなると想像する。文句をつける人は、数としては少なくても、リスクを回避するために自主規制するようになるのが、企業でもあるからだ。
Googleが表現の自由の旗印を、どこまで堅持できるかは見ものだ。
ともあれ、作家直販は始まった。
とはいえ、本当に個人がAppStoreで販売するには、まだまだ敷居は高い。
一方の既存の出版社の対応は遅い。
新しいマーケットは、早い者勝ちの世界でもある。
出遅れることは、せっかくのチャンスを逃すことになる。
電子ブックのシェアを優位に占めるのはどこか?
今後の展開に注目だ。