「猫」のキーワードで引っかかったコラム記事。
だが、ここで取り上げられている戦時中の犬猫の供出による虐殺は、現在でも「処分」という名のもとに、公的機関で行われている。
再三書いていることであるが、その数は年間30万頭あまり。
数の上では大差はないが、その理由・動機は異なる。
livedoor ニュース – 62年前の悪夢…国家による犬猫の大虐殺
1944年12月、大日本帝国政府は「犬猫供出命令」を発令した。撲殺や毒殺された犬猫は数万~数十万匹と言われている。
07年1月21日7時、NHK総合のニュースの中で、『猫供出の思いを本に』というタイトルの番組が放送された。昭和20年、12歳のときの供出の体験を本にされたという滝島雅子さんという方が出演して、当時のことを話された。概略を紹介する。
当時、彼女の家はクロという猫を飼っていた。彼女はいつもクロと一緒に寝ていたそうだ。供出されることになり、親に言われて、仕方なくクロを袋に入れ、指定された場所に持っていった。棒を持った男が2人立っていて、まわりの雪は赤く染まっていた。彼女は渡さずに帰ろうとしたが非国民と言われ、やむを得ず渡した。クロはその場で撲殺された。
なんとも胸が痛くなる話である。これを単に戦争のせいだとして片付けてはならないと思う。背景にあるほかの多くの要素も見なくてはならない。
現在の犬猫虐殺の理由は、人間が捨てるからである。
捨てられてしまって、処分するために殺している。
しかも、これは毎年、毎年、数十万頭が殺されているのだ。虐殺の程度から言えば、戦時中の供出よりもはるかに多い。
記者はそのことを知ってか知らずか、触れていない。
数が物差しの一つであるなら、現代は戦時中よりも、もっと残酷な世の中とも言えると思う。