ワールドカップのアジア最終予選……。
UAEに負けるという最悪の出だしだった。
審判の誤審というかUAE寄りの判定は、いろいろと言われているが、それを抜きにしてもシュート数に対する得点率が低すぎるのも事実。
それは「決定力のなさ」といわれる。
タイ戦はかろうじて勝てたが、シュート成功率は依然として低い。
長年の課題でもある「決定力不足」を、改善するにはどうしたらいいのか?
そこで毎度いわれるのが、「Jリーグ得点王の大久保をなぜ使わない」というフレーズ。
こじらせた「決定力」。本田、香川は”犯人”なのか。(小宮良之) – 個人 – Yahoo!ニュース
ロシアW杯アジア最終予選が幕を開けた。日本は攻め立てながら、思うように得点が奪えていない。清武弘嗣、本田圭佑、香川真司らが空振りしたことが大きな話題になった。シュートは打っても枠に入らず、もしくはGKの正面でブロックされてしまう。
「決定力不足」
言い古されてきたフレーズが、またしても浮かび上がる。
では、日本サッカーにはストライカーがいないのか?
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、Jリーグで最も得点を取っている大久保嘉人、豊田陽平の二人を招集していない。それどころか、プレミアリーグ王者レスター・シティのFWである岡崎慎司をタイ戦では外している。つまり、コンスタントに得点を叩きだしているFWを、使っていない、もしくは使い切れていない。
「ストライカー受難」
それが清武、本田、香川の身に災難として降り注ぎ、決定力不足という結論に達しているとすれば――。
大久保待望論は幾度となくいわれてきた。
「Jリーグ得点王だから」がその理由だが、問題はJリーグ得点王が代表で、世界を相手に通用するのか?……ということ。
Jリーグの中では、たしかに大久保は結果を出している。しかし、それは「Jリーグのレベルだから」という注釈付きだろう。大久保が代表チームに入って、FWとしてガンガン点を決めてくれればいいのだが、私はそういうシーンをイメージできない。
ブラジルW杯のときは、最終的に代表に選ばれたが、出場した試合では無得点で終わった。使い方が悪かったという見方もできるが、コロンビア戦で決定機を決められなかったのは強い印象として残った。
百発百中のストライカーなどはいない。メッシやC・ロナウドでも、外すことはある。それでも成功率が他の選手より高いから、決定力のある選手として評価されている。
大久保は、かつて海外にチャレンジしたこともあったが、凡庸な成績に終わった。スペインやドイツのサッカーに適応できなかったのだろうし、言葉の問題もあり海外での生活はなにかと大変なのはわかる。
AFCチャンピオンズリーグ2014に川崎フロンターレが出場したときは、1点を取っただけで不発だった。Jリーグ得点王の大久保がビシバシ決めていれば……という、たらればの話に終わった。
勝手な推測だが、大久保は海外勢に対して苦手意識があるのでは?……と思ってしまう。
仮に現在の大久保がスペインに再挑戦したとして、得点王争いでメッシやC・ロナウドと対等に渡りあえるかというと……残念ながら、そうはならないだろうと誰もが思うだろう。
つまり、レベルが違いすぎる。
世界に通用するストライカーであるなら、Jリーグに甘んじることなく、海外チームからオファーが殺到しているはずだ。そうならないのは、世界レベルでは凡庸だと評価されているのではないか。
年齢的なことは別にして、レギュラーとして定着できるかどうかも怪しい。逆にいえば、Jリーグのレベルが低いということだ。そのレベルの中での得点王に、あまり大きなポテンシャルは望めない。
それよりも気になるのは、香川が代表に来ると調子を落としてしまうことだ。
10番を背負っていることの重みなのか、周囲との連携がうまくいかないのか、代表での香川はなかなか輝けない。
良くも悪くも、現在の代表チームは香川の調子しだいな気がする。香川が得点すると、チームの雰囲気が俄然良くなる。今後の戦いで、浮沈を左右するのは、香川がいかに得点するかだと思う。
それゆえ、香川へのプレッシャーが強くなるのだろう。
「最終予選の初戦で負けると、W杯出場はない」とのジンクスを、なんとか破って欲しい。
そして、私たちの気持ちをロシアに連れて行ってくれ!