夏の風物詩になった感のある「ゲリラ豪雨」だが、局地的かつ短時間に発生するため、予報や予測が難しいとされている。
それをスパコンの「京」で、シミュレーション予測しようとしているとのこと。
神戸新聞NEXT|社会|ゲリラ豪雨を30分前予測 スパコン京で手法開発
理化学研究所(理研)などは9日、30分後のゲリラ豪雨が予報可能となるシミュレーション手法を開発した、と発表した。最新鋭レーダーで観測された気象データを基に、雨雲の成長を神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター「京」で予測。研究グループは「ゲリラ豪雨が予測可能であることが示された。実用化に向けた大きな一歩だ」とする。
ちなみに「ゲリラ豪雨」という呼び名は、「ゲリラ」が物騒だとして批判された経緯があって、通称になっている。正式には「集中豪雨」または「局地的大雨」と呼ばれ、雨量の違いによって使い分けられているという。
とはいえ、ゲリラ豪雨の方がやばそうな豪雨ということで、イメージしやすい。「集中豪雨」や「局地的大雨」だと、あまり危機感を感じない表現ではある。
予測できるに越したことはないが、30分前の予測だと、その情報をどうやって伝えるかが問題になりそう。地震速報のように伝えるにしても、局地的であり時々刻々と移動するのがゲリラ豪雨なので、有効な予測情報の配信の仕方は難しいかもしれない。
降雨情報をリアルタイムで知らせるアプリはあるが、予測ではないので現在の降雨情報から、人間が「そろそろ降ってきそうだ」と予想するしかない。
課題は、地域と時間をどれだけ絞り込めるか?
30分前であれば、避難あるいは待避する時間は、ある程度確保できそうだ。
実用化は10年後ということだが、シミュレーションするための情報の蓄積が鍵なのかと思う。加えて、予測のために「京」のリソースをどれだけ食うのかわからないが、独占的には使えないのだろうから、「京」レベルの気象予測用スパコンが必要なのかもしれない。
ちなみに、ゲリラ豪雨を狙って私が撮影した写真がある。
▼私の撮影したゲリラ豪雨
ゲリラ豪雨(作品№ Nature-0002) | 『自然現象』 | 諌山 裕【写真庫】
2012年の撮影だが、これを撮った時期はゲリラ豪雨が頻発していて、どうにか撮れないかと画策していた。自分のところが豪雨だと撮影どころではないので、頭上は雨が降っていなくて、やや離れた場所でゲリラ豪雨が発生していることが条件だった。
そうそう都合良くはいかないものだが、この日、絶好の条件が生まれた。
降雨情報として活用したのは、「東京アメッシュ」だ。5分刻みで、降雨情報が更新されるので、局地的な雨の推移を見ていた。
ゲリラ豪雨と思われる局地的な雨の領域が、新宿にかかろうとしているのを見て、住んでいるマンションの屋上に上がった。
ゲリラ豪雨は、新宿高層ビル群に対して、(私の視点から見て)東から南に向かって移動していた。まさに、新宿高層ビル群の真上を通過するという、絵に描いたようなシチュエーションになった。
過日のことだが、特徴的な局所的豪雨の日があった。
そのときの東京アメッシュの観測画像が以下。
▼2016年7月14日の東京アメッシュ
東京近郊で雨が降っていたのは、この画像の示す所沢市のあたりだけ。しかも、雨の領域が中心部だけ穴が空いたようになっていた。おそらく、積乱雲が渦を巻いていて、まるで台風の目のようになっていたと思われる。とても珍しいので画像をキャプチャしていた。
このときは会社にいたため、実際の雲がどうなっていたのか確認はできなかった。自宅のある練馬区からであれば、沸き上がっていたであろう積乱雲が見えたのではと思う。
本日も猛暑だ。
ゲリラ豪雨が発生しやすい状況になっている。空には層雲があるので、発達して積乱雲になる可能性がある。今現在、房総半島に比較的小規模なゲリラ豪雨が発生している模様。
ゲリラ豪雨予測は10年後といわず、数年で実用化できるといいのだが……。金と人材の問題かな。
【追記】2016/08/16
台風7号が接近している、2016年8月16日。
ゲリラ豪雨というか線状降水帯が通過した様子を動画キャプチャしておいた。
台風は北半球では反時計回りに渦を巻くため、雨雲は東から西に移動している。普通は、西から東に移動することが多いので、逆向きは台風が接近したときの特徴。