DAZ Studio 4.xをいろいろと使ってみる(59)の続き。
このシリーズも60回目。
DAZ Studioの初期バージョンは、お世辞にもリアルとはいえなかったのだが、現在はかなり洗練されてきた。私の使い方は、「とりあえず使ってみる」の行き当たりばったりなのだが、それでもなんとかなる……というのが、このシリーズで書いてきたことだ(^_^)。
マニュアルを見ながら勉強しているのではないので、けっこう自己流。
「ここをこうしたいけど、どうすればいいんだ?」……と、問題にぶつかりつつ作品を作っている。その過程の一部が、この連載というわけだ。
さて、Irayレンダリングに取り組んでいるが、現状報告を。
Irayレンダリングが終了するのに3日かかった!
前回、Irayレンダリングは時間がかかると書いたが、以下の試作品はレンダリングが終了するのに3日あまりを要した(×_×)
▼Irayレンダリングした試作
元画像は5000×3337ピクセルの大きいサイズ。掲載用には縮小している。
大サイズで作っているのは、あとあと加工・修正したりする場合の都合を考えてのことだ。サイズが小さければ、レンダリング時間も短くなるが、小さい画像では利用範囲が限られてしまう。大きいサイズを小さく縮小する分には問題ないが、小さい画像を拡大すると画素が荒れたりぼやけてしまったりする。
長辺5000ピクセルというのは、私にとっては最小限のサイズだ。通常はNIKON D800の画像サイズである「7360×4912ピクセル」でレンダリングする。写真と合成するときに、サイズを合わせておく方が好都合だからだ。
利用したアイテムの説明をしておくと……
●フィギュアはGenesis 2ベースのカスタマイズ。
●肌のテクスチャに、Iray用スキンを適用。
●眼にIray用の「Actual Eyes 5」を適用している。
●衣裳のシャツは古いV4用のものをAuto Fitで着せ、テクスチャはSilkのshaderを適用。もとのアイテムは体型に合わせるフィッティングはある程度可能だが、古いタイプなので可動域が狭い。そこで、「Fit Control Bundle」を使用して、左肩のストラップを外し、シャツの裾を上げて、お腹が見えるようにしている。
●衣裳のショーツはGenesis用のもの。
●背景の空は、「Iray Worlds SkyDome」を使用。
※光源は「Sun-Sky」のみ。
※後処理として、Photoshopでソフトフォーカスとフイルムグレインのフィルターをかけ、彩度を調整している。素のままの画像だと、3DCG特有の「硬さ」があるので、それを緩和するためだ。
じつは、まだGenesis 3のフィギュアは購入していない(^_^)b
バンドルセットで買いたいと思っているのだが、プロバンドルだと94ドル(Premium Club価格)くらいするので、先延ばしにしている。フィギュアには、ベースとなるキャラクターがいくつかあるが、それらをまとめて購入したいと思っているため。カスタマイズするときに、それらのベースキャラクターがパラメーター要素になるので、いろいろと便利なのだ。
Irayレンダリングと3Delightレンダリングの大きな違いは、3Delightが「面」で描画していくのに対して、Irayは「点」で描画していくこと。
Irayレンダリングの過程を見ていると、最初は粗い点で画像が浮かび上がり、徐々に点描が密になって仕上がっていく。そこはLux Renderと似ている。
点描なので、その点の密度が目立たない程度に埋まったときが、レンダリングの完成ということになる。
初期設定でレンダリングしたときは、その点描が粗くて、もっと密度を上げないといけないと思った。
画質クオリティのパラメーターは、以下になる。
▼Irayレンダリングの画質パラメーター
たくさんパラメーターがあるが、重要なのは「Min Samples」と「Max Samples」だ。
Min Samplesは、最小の描画ピクセルサイズ。
Max Samplesは、最大のピクセル数。……ということらしい。
画像サイズが小さければ、Max Samplesは少なくてもいいが、画像サイズを大きくするとピクセル数は増える。
上記のパラメーター画像は、前述の試作をレンダリングしたときの設定だが、Minはデフォルトの5のままで、Maxを最大限の15000にした。
また、もうひとつ重要なのが「Max Time(secs)」で、これはレンダリングする時間(単位は秒)の最大値を意味する。つまり、Max SamplesもしくはMax Time(secs)のどちらかの条件を満たすまで、レンダリングは継続する……という仕様のようだ。
レンダリング時間がどのくらいかかるかわからないので、ここも最大値にしてあった。
それと「Rendering Quality」は、初期値が1なのだが、それでは物足りなかったので5にした。
その結果が、3日(72時間)あまりというレンダリング時間だ。
レンダリング途中の画面をキャプチャしておいた。
▼21時間後のレンダリング状態(クリックで拡大表示)
▼2日と22時間後のレンダリング状態(クリックで拡大表示)
人物のシャドー部分に、点描の粗さの違いがあるのがわかると思う。
CPUのみのレンダリングでは、大サイズの場合、数日かかることは覚悟した方がよさそうだ。NVIDIA GPUを併用すれば、多少は短縮できるのだと思うが、マシン環境がないので確かめようがない。
Irayレンダリングは、たしかにリアルな描画をしてくれる。そこは魅力的なのだが、いかんせん、レンダリング時間がかかりすぎる。
やはり、NVIDIA GPUを搭載したマシンが必要だ。