メタバースに関して、冷めたニュースがまたひとつ。
話題のChatGPTが爆発的な人気になっているために、メタバースの話題は食われてしまっている感じ。ChatGPTが急速に広まったのは、一般ユーザーは新たな機器を購入する必要がなく、ブラウザベースで利用できるという手軽さにあった。
メタバースには、それがないんだよね。
ChatGPT人気急上昇の一方でオワコン感が高まる「メタバース」 なかったことにしてもいい?:Marketing Dive – ITmedia マーケティング
いっときは企業のマーケティング担当者の注目を集め、キラキラと輝いていたメタバースだが、大きな嵐が過ぎ去った今、一部の業界ウォッチャーはその命運が尽きかけていると考えている。テクノロジーのハイプサイクルを引き継いだのは、「ChatGPT」のようなジェネレーティブ(生成)AIだ。
幾つかのメタバースプラットフォームにはほとんどユーザーがいない。一方で、プライバシーやブランドセーフティーに関する厄介な問題もある。景気変動に伴い、ブランドはパンデミックブームの間に暴走したデジタルへの賭けよりもマーケティングの基本を優先するようになっている。
広告会社のGSD&Mで最高メディア責任者を務めるデーブ・カーシー氏は、クライアントのメタバースへの関心について、「一般的に、その辺りの会話は少なくなっている。多くはブレーキを踏んでいる」と述べている。
データプライバシーなどの点でリスクが高いのは確かだ。とはいえ、メタバースをなかったことにしようとするのは、まだ時期尚早かもしれない。さまざまなカテゴリーのブランドが、若い消費者とのつながりやコミュニティーを醸成し、ハイブリッドな体験をサポートするために、メタバース戦略を展開し続けているのはご存じの通りだ。現在の段階はメタバースにとって、終幕というよりは冬眠期間に近い可能性がある。敗北の後には、Web3への初期の興奮を彩ったものよりは限定的だが、より明確な定義を持つメタバースが出現するのかもしれない。
これからのメタバースの定義について、カーシー氏は「はるかに狭くなると考えている」と言う。「マーケティング担当者は、売り上げを伸ばして収益を上げるため、堅実な戦術に戻りつつある」(カーシー氏)
(中略)
メタバースに飛び込むことにまだ興味を持っているのであれば、単にトレンドに追随するだけでなく、最終的には強力なビジネス成功事例を提示する必要がある。現在メタバースに残っているプレーヤーは以前より少なくなった。だが残っているプレーヤーは、教育や単発の実験よりも深さを競っていると言う専門家もいる。
ChatGPTの進歩と浸透が、異常なほどスピード感があったね。メタバースにはそれがなかった。出てきたのは、チープなザッカーバーグのアバターだったしね。あれでは失望してしまう。
初速でつまづいてしまったのが、誤算の始まりだったようにも思う。
AIにしても最初からうまくいったわけではなく、過去のAIブームはかけ声だけで空振りに終わっていた。メタバースもSecond Lifeの第1打席は期待されたが空振りで、今回の第2打席も期待だけが先行したが、凡打で終わりそうだ。
ホームランを打つには、まだ打席数が必要だろう。
「冬眠期間」というのは言い得て妙だ。AIにも冬眠期間があったからね。
技術的な問題もしかりだが、ビジネスとしてどうやって稼ぐかが見えていないのが大きな問題だ。そもそも集客ができていないようなので、有料会員で収益を上げることも難しい。
広告モデルで収益を見込むのにも、多くのユーザーがいないと成立しない。
VRヘッドセットが必要だというのなら、デバイスを単体で売るのではなく、サブスクで月額1000円とかで普及させるとか、そういうお手軽な手段が必要な気がする。5〜7万円のヘッドセットは購入をためらうだろうが、月額1000円だったら出せるのではないか。
数年後、どうなっているかと過去記事に書いていたが、年内(2023年)でどうなるかという瀬戸際かもしれないね。