「DMはスパムメールと一緒」の続き。
ベネッセの名簿とは知らずに購入したというジャストシステムだが、売買される名簿はいくらするんだろう?……と思っていたら、関連記事が出ていた。
「子供の名簿」はカネになる 20倍で転売の価値 法規制なく名簿業者野放し (1/3) – ITmedia ニュース
「1件当たり1円で買い取り、20円ほどで転売できる。子供の情報は希少価値が高く、もうけも大きい」
近畿地方の名簿業者の男性は、子供を扱った名簿の価値をこう説明する。
ということで、流出したのが約2070万件と報じられているので、最初に流した犯人は2000万円あまりを手にしたことになる。
また、
ベネッセ情報流出 子供の名簿は「宝の山」…少なくとも「数千万円」の価値:イザ!
総務省によると、平成25年の18歳以下の国内人口は約2120万人。ベネッセから漏洩した可能性がある最大2070万件はこの数字をほぼカバーするほど膨大な「宝の山」だ。
ということで、その数と価値がいかに高いかを物語っている。
ジャストシステムがどれだけ件数を入手したのかというと……
ベネッセ情報流出 1月には流出か、ジャスト社は約200万件購入:イザ!
同時期にジャスト社から「小中学生の名簿が欲しい」と注文が入り、2~3月に自社の名簿約160万件分を販売。さらに、5月にパン社から約200万件分の名簿を購入し、ジャスト社に転売したという。
ということで、160万件+200万件=360万件を買ったようだ。
購入価格を、1件当たり20円とすると、
360万件×20円=7200万円
になる。
情報は転売に転売を重ねているようだから、実際の単価はもっと高いのではないかと思われるので、ざっくり1億円くらいは払っているのかもしれない。
それだけ投資しているとすれば、捨てるに捨てられないね。
手に入れた名簿は、もう使えないだろうから、1億円をどぶに捨てて、信用が失墜して、株価も下がったのでは、踏んだり蹴ったり。
安易に美味しい餌に食いついたのが、高くついてしまったようだ。
しかも、この事件で流用された名簿が、同業他社だったというのが皮肉というか、流用したジャストシステムのイメージを悪くしている。
おそらく、営業の1部署の判断で行われたことなのだろうが、その情報の出所を疑うことをしなかったのか、あえて目をつぶったのかが気になるところ。営業成績を上げるとか、新規顧客の獲得ノルマのようなものが、安易な方法へと走らせたのかもしれない。
どこの会社でもやってるとか、常套手段だからとか、そんな感覚の麻痺があるのではないか。
自社の情報漏洩には細心の注意を払っていると思うが、売買されている情報が漏洩したものではないか?……という意識も持って欲しいね。
売買される個人情報は、ほとんどがブラック(いわくつき)だと思うけどね。