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STAP細胞問題…科学者とは思えない反論だった

昨日は、STAP細胞ねつ造疑惑の渦中にある、小保方氏の謝罪&弁明&反論会見に終始した感がある。
まるで、芸能人のスキャンダル騒ぎの様相だった。

世紀の大発見」から「世紀のねつ造疑惑」になってしまったが、この問題は日本の科学界には少なからず悪影響をもたらしそうだ。
これからも、科学の世界では新しい発見や発明は登場してくるだろうが、この「小保方ショック」とでもいいたくなるような前例があると、「ほんとか?」と疑いの目で見られてしまう。

会見の全文は、他の記事を参照していただくとして、小保方氏が語ったことには、新しい事実や証拠は出てこず、印象論や悪意のあるなしについてしか触れられなかった。

ひとつ再確認したことは、小保方氏は几帳面ではなくルーズな性格だということだ。
科学者の資質として「几帳面さ」は、重要ではないかと思う。
観察や実験をして詳細な記録を取る、緻密な計算をする、ほころびのない理論を組み立てる……と、そういう積み重ねで新理論や新発見は確かなものになっていく。
彼女には、それが決定的に欠けているようだ。

小保方氏を指導してきた教授やベテラン研究者が、きちんと教育してこなかったこともあるのだろうが、それ以前に、幼少時からの成長過程で、几帳面さを求められるような環境になかったのかもしれない。人の性格の主要な部分は、幼い頃に形成されるからだ。

悪意があったかないかというのは、この際どうでもいいことで、「事実はなにか?」を証明すべきだった。
それが科学者としてやらなければいけないことだ。

事実を証明しなければ、小保方氏の研究者としての今後は、ほぼ消滅してしまう。話題にはなったが、これほどの問題を起こした彼女を、他の研究機関や企業が雇うとは考えにくい。理研に在籍したいと希望するのは、ほかに行くところがなくなってしまうと感じているからだろう。
「200回成功した」といっていたから、200回分の実験記録がなければいけない。数十冊のノートがあってもおかしくないのだから、それをドンッと出せばよかった。だが、ルーズな彼女は、その記録をつけていなかったのだと思われる。

極秘の研究だからとか、第三者が見るとわからない書き方だったとか、そんなことは関係なく、「これが記録ノートです」と出せばいいんだ。自身の主張の正当性や将来がかかっている、絶体絶命の瀬戸際なのだから、すべてぶちまけるくらいの覚悟がほしかった。
ここまで追い詰められているにもかかわらず、彼女の危機感は希薄だと感じた。
まだまだ考えが甘い。

さまざまな疑惑については、以下のまとめサイトが詳しい。

小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑

上記のリンク先に、理研が不正と判断した画像も掲載されているが、その画像を入れ間違ったというのには無理がある。
元となった博士論文の画像と、NATUREに掲載された画像とでは、同一であるというだけでなく、鮮明になるようにレタッチされトリミングされているのだから、その画像を使うために手が加えられているということだ。

そこには「意図」がある。
それを誰がやったかだ。
単純に入れ間違いであれば、画像の鮮明度もまったく同一でなくてはならない。
画像ファイルはあるはずだから、ファイルの更新日を見れば、いつ手を加えられたかわかる。

撮影のためのカメラはなにを使っているのかわからないが、デジカメ付きの顕微鏡でも、最近の顕微鏡カメラには撮影情報としてExif情報を記録できるようになっている。より鮮明な画像を撮影するためだったら、一眼レフを顕微鏡につけて撮影する。撮影情報として元画像にはExif情報が残っているはずなので、それを見ればカメラは何を使い、いつ撮った画像なのか一目瞭然だ。Exif情報を改変することは可能だが、すべての撮影画像を提示すれば、実験過程を追跡できるだろうと思う。

そうした客観的な証拠を提出してこそ、疑惑を否定できる。
それをしないのは、科学者とはいえない。

ちなみに、小保方氏の使っていた顕微鏡は……
神戸新聞NEXT|社会|小保方さん、理研入り転機は震災 STAP細胞作製

小保方氏の使っていた顕微鏡

調べたところ、オリンパスの「倒立型ルーチン顕微鏡 CKX41」のようだ。
この顕微鏡はデジカメ付きではないが、オプションとして「顕微鏡専用デジタルカメラDP21」が使える。DP21の仕様には、Exif情報についての記述はないが、DP21で撮られた顕微鏡写真を検索してみたところ、画像にはExif情報が記録されていた。
真正の画像があるのなら、その元データを出せば、正確にいつ、どのカメラで撮られたのか明確になる。

▼とあるDP21で撮られた顕微鏡写真のExif情報

DP21で撮られた顕微鏡写真のExif情報

几帳面さの欠ける小保方氏は、論文ではいくつもの不備や疑惑を招いた。
このことは、実験においても、いくつものミスを重ねている可能性が高いことを暗示している。ミスの上にミスを重ねた実験の結果、STAP細胞ができたと勘違いしているように思えてならない。彼女のいう「コツ」は、ミスの上に成り立っていると考えられ、公開した手順そのものも間違っているために、第三者が追試で成功しないのではないか?

そう考えれば、他者が成功しない理由の辻褄が合う。

小保方氏は嘘はついていないのかもしれない。
しかし、彼女は自分のミスにも気がついておらず、間違った結果を真実だと信じている可能性がある。
だからこそ、客観的な証拠を出す必要がある。

今からでも遅くないから、持っているノートや画像ファイルをすべて出した方がいい。それを検証すれば、STAP細胞とはなんだったのか?……という答えが出てくる。

科学者は科学者らしく、科学的に解決して欲しいと願う。

諌山 裕

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  • あの会見は、「科学者である」ことを辞めた決別の宣言と受け取れました。
    科学的にはもはや、論ずるべきところはないと感じます。

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