デルタ株はすれ違っただけで感染か?

日本ではいまだに新型コロナの空気感染は問題視されていないが、オーストラリアではすれ違っただけで感染したと思われる事例が報告されたという。
だから、前から私は言ってるだろ。空気感染を考慮しないとダメだと。

すれ違っただけで感染!? デルタ株、驚愕の感染力が詳細分析で明らかに…?|Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア|World Voice|ニューズウィーク日本版

「これまで我々が経験してきたものとは異なり、知らない者同士がすれ違った程度で感染しているとみられ、これまで換気が感染リスクを軽減することはわかっていたが、これほど感染力がある変異種には、十分でないのかもしれない。これまで効果あったマスクもうまく機能していないようだ」

と述べ、『麻疹』並みの感染力であることを示唆した。

日本の新型コロナ対策は、周回遅れになっている。
手指からの接触感染や大きな飛沫による飛沫感染よりも、呼気の含まれるウイルスによる空気感染の方が有力な感染経路だということ。

上記のニュースは、今朝の「あさチャン!(TBS)」でもやっていたが、ソーシャルディスタンシングが1mでは足りず、2m必要だと解説していた。
そもそもソーシャルディスタンシングは、初期の頃は3mといっていたのが、2mになり、1mになり、座席等は50cmに……と、根拠なく短くなっていった経緯がある。
ここは原点に戻って、最低でも3mにしなきゃだめだろう。

空気感染を前提とするなら、もっともリスクが高いのは満員電車なんだ。
これも繰り返し書いてきた。
ずっと電車は例外扱いになってきたが、電車内でもソーシャルディスタンシングを取る必要がある。それが2mだとするならば、1車両に乗れるのは20人前後になるのかな。現実的ではないのは承知だが、「徹底」というならば、そうするしかない。

この状況でオリンピックを開催して、デルタ株の感染が選手間で発生すると、悲惨なことになるかもしれない。デルタ株はワクチン接種をしていても感染する、ブレイクスルー感染を起こすとされているからだ。

麻疹はしかなみの感染力……ということは、麻疹の予防方法を適用すればいいことになる。

麻しん(はしか)|感染症ってなに?|感染対策コンシェルジュ

■主な感染経路
閉めきった空間では、感染者のせき・くしゃみのしぶきが乾燥して細かい粒子となって空気中を漂い、免疫のない人が吸い込んで感染します。マスクや手洗いでは予防できません。

 

感染者のせき・くしゃみの直接のしぶき(飛沫)を免疫のない人が吸い込んで感染します。
1~1.5mの距離であれば、直接呼吸器に侵入します。

 

感染者のせき・くしゃみの直接のしぶきによって、接触感染もします。

 

麻疹(ましん、はしか)について / 国立感染症研究所

 麻疹は、接触、飛沫、空気 (飛沫核)のいずれの感染経路でも感染します。麻疹ウイルスの直径は100~250nmであり、飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染しますので、マスクでの予防は難しくなります。唯一の予防方法は、ワクチン接種によって麻疹に対する免疫をあらかじめ獲得しておくことです。

(注)100~250nmは、0.1〜0.25マイクロメートル

ポイントは、

  1. マスクや手洗いでは予防できません。
  2. 飛沫核の状態で空中を浮遊し、それを吸い込むことで感染。
  3. 予防方法はワクチン接種しかない。

繰り返すが、満員電車がいかにリスクが高いかがわかると思う。

これまで取られた感染対策として、有効なのは3密回避だけだ。
その場合のソーシャルディスタンシングは、半径2m以上という注釈付きだが。

換気については、すれ違いで感染するのであれば、これもほぼ無意味。
換気する場合には空気の流れがあり、風上に感染者がいて、風下に未感染者がいたら、換気によってウイルスが運ばれて感染することになってしまう。むしろ、換気のための空気の流れを作ることで、密閉空間にウイルスを拡散させている可能性も出てくる。

くどいようだが、空気感染だ。

それを考慮しないと、役に立たない対策に労力と金をつぎ込むことになる。

諌山 裕

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