新型コロナの話題ばかりになってしまうが……。
アメリカでは新たな変異株への懸念が高まっているという。

米国で新たなコロナ変異株が急増、危険度は不明 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

感染症の専門家であるアンソニー・ファウチ氏は、先月マンハッタンで最初に検出されたB.1.526という変異株が広まっていることを懸念している。なぜならこの変異株に対しては、従来の新型コロナワクチンの効果がなく、ほかの治療法の効果もない可能性があるからだ。

もともとRNAウイルスは変異しやすいといわれてきたが、SARS-CoV-2は変異の代替わりが途切れることなく続いているのが特徴だ。

例年のインフルエンザは冬期に流行するものの、春になる頃には沈静化して、翌年まで休眠状態になる。
ところが、新型コロナは昨年の1月から始まって、増減を繰り返しつつ、衰退することなく流行を持続している。

新型コロナで社会の地殻変動は起こるか?」で、ちらっと触れたが、変異株の主役交代のサイクルが、だいたい4か月ほどになっている。つまり、ひとつの株に関していえば、4か月で衰退しているということ。
しかし、A株が衰退を始めるとB株が頭角を現して流行の波を作る。そして、B株が衰退すると今度はC株が台頭してくる……というサイクルだ。
そのサイクルが、約4か月。

今年の1月にピークが来たから、次のピークは4月、8月、12月と続くかもしれない。
じつは、これは昨年のパターンをほぼ踏襲するとこうなる。
なぜ、インフルエンザのように、1シーズンで衰退してしまわないのか?
ここが鍵のような気がする。

考えられる可能性は2つ。

  1. ウイルスの適応能力が高いため。
  2. 感染対策として行ってきたことに、致命的な欠陥がある可能性。

どちらかというより、両方だろうね。
他の記事でも書いたが、感染者を少なくしようとするほどに、ウイルスが感染できる余地を残してしまう。つまり、中途半端に感染者が継続的に発生することで、ウイルスが存命できてしまっているんだ。

マスク着用や過剰な手指消毒が、人の免疫力を低下させている可能性もある。
皮膚のバリアが弱まれば、『「メガネでコロナ感染リスク低下」の研究報告』で指摘したように、粘膜ではない皮膚からの感染もあるかもしれない。

封じ込めをするためには、いったんゼロにしないと、ウイルスの種火が残ってしまう。種火と書いたが、これは山火事に例えられる。燃えるものがたくさんあれば、燃え尽くすまで火は消えない。消火活動で一気に消火できればいいが、少ししか消せず、完全に鎮火できないと、火災は延々と続くことになる。
これまでの感染対策は、一部しか消火できずに延焼を広げてしまったともいえる。

現状は、人口に対する感染者の割合が、東京都では……

累計感染者数 114,536人(2021年3月11日現在)
東京都の人口 13,952,915人(2021年2月1日現在)
よって感染率は、0.82%。

つまり、これから感染可能な人が、99.18%もいるんだ。
一般へのワクチン接種は、まだだいぶ先になりそうだから、潜在的な感染予備軍がこれだけいれば、新型コロナウイルスは市中に潜伏し続けられることになる。

インフルエンザが春前に衰退していたのは、学級閉鎖などはあったものの、流行期に入ったからと特に厳格な予防対策をするわけではなかった。つまり、インフルエンザウイルスは感染できるだけ感染して、森を燃やし尽くしたから沈静化していたんだ。
それが国内で、年間約1000万人が感染していたという事実だ。

新型コロナでは、恐怖感が植え付けられたことで、抑えこもうとしてきたため、森は一部しか燃えておらず、火種は残っているから、まだまだ燃え続けることになる。

ワクチンが効かないウイルスが出てくると、ますます終息は見えなくなる。
今年も年間を通して、COVID-19に振り回されるかもしれないね。

諌山 裕

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