マスクはウイルス感染予防にはならない

新型コロナウイルスの感染が広がっているが、現段階では少々騒ぎすぎ。
例年のインフルエンザの流行では、年間1000万人あまりが感染し、関連死を含めると1万人が亡くなっている。
それに比べたら、リスクはずいぶんと小さい。

新型ということで不明な点も多く、恐怖感をあおっている面もある。
一説には、最悪のシナリオで、全世界で6500万人が死亡するという研究者もいたりする。とはいうものの、ここまでの感染ペースや死亡率から見ると、そこまで致死率の高いウイルスとは思えない。この新型も、毎年のインフルエンザのように、シーズン毎に定着する程度かもしれない。

インフルエンザでもそうなのだが、予防策としての「マスク」はほとんど意味がない。
コロナウイルスも同様にマスクでは予防できないだろう。
にもかかわらず……

新型肺炎リスクが高まっても、マスクをしない日本人が多い理由 | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン

私は1月23日に武漢市が封鎖されて以降、外出の際には必ずマスクを着用しています。もちろん、理由は新型肺炎が怖いからです。グローバル都市・新宿に住み、世界中から集まった人々と触れ合う可能性が高い環境で、「発症したら苦しいうえに致死率が高いという病気に、もしも感染したら……」と思うと、マスク着用は必須だと思っています。

……と、こういう人がいる。
マスクで予防できると思っているのが悲しいところ。

そもそもマスクをしている人たちを見ていても、鼻や頬に隙間のあるマスクをしている人がほとんどなので、それではマスクで防御していることにならない。密閉するマスクでなければ、飛沫を含んだ空気を吸い込んでしまう。

また、前にも書いたが、目を覆うゴーグルをしないと、飛沫は目を通して結膜から感染する。防疫や医療関係者が、密閉度の高いマスクとゴーグルをしているのはそのためだ。予防的に防御したいのなら、以下(左の人物)のような格好をする必要がある。

新型インフルエンザ(H1N1)騒動の時の検疫官。

インフルエンザは乾燥に強く湿気に弱い。コロナウイルスも同様だと考えられているのだが、そうともいえないという研究報告もある。

湿度が高くてもインフルエンザウイルスの感染力は弱まらない?|医師向け医療ニュースはケアネット

 インフルエンザウイルスは湿度が高いほど生存率は低下すると広く考えられているが、高湿度の環境下でもウイルスの感染力は弱まらない可能性のあることが新しい研究で示唆された。研究グループは、咳やくしゃみにより空気中に飛び散った気道の分泌物などがインフルエンザウイルスの保護に働くためではないかと指摘している。詳細は「Journal of Infectious Diseases」6月7日オンライン版に掲載された。

マスクの利点として、呼気による湿度でウイルスの感染力が弱まるとの説明は、この研究結果からは関係ないことになる。

インフルエンザの空気感染(呼気にウイルスが含まれる)も報告されているので、コロナウイルスも同様の可能性が考えられる。
というのも、無症状感染者からの二次感染が報告されているので、その場合は咳などの飛沫での感染ではないと思われるので、近くにいて呼気によって感染した可能性も否定できない。

中国ではマスク等で防御しているはずの医療関係者の感染も報告されているので、空気感染も疑った方がいいように思う。空気感染だと、マスクは素通りだ。

マスクは感染者が飛沫を飛ばさないためにはある程度の効果があるかもしれないが、感染を予防する効果は期待できない。
それが可能なら、マスク着用を義務化すれば済む話。
マスクで防げるなら、毎年のインフルエンザの流行もなくなる。

しかし、水やコーヒーを飲んだり食事をしたりするときにはマスクを外す。そのときに感染する可能性もあるのだ。そうなると、不特定多数の人が集まる飲食店に行くな……という話になってしまう。

とはいっても、マスク信仰は根強く残るんだろうね。

 

諌山 裕

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