とりあえずAIと呼ばれるAlexa等とのスマートスピーカだが、ときどきとんでもない動作をするようだ。
もっとも、AlexaをAIと呼べるかどうかは疑問なのだが……。
単なる自動応答スピーカでしかないのに。
感情や思考を持たない現在のAI(もどき)は、ある意味で空気を読まない純粋さがあるともいえる。
そんな一例。
Alexa「地球のために人間は死ぬべき」。Amazon Echoが持ち主に自殺を促すトラブル発生|FINDERS
英国サウス・ヨークシャー州に暮らす救急救命士の研修生であるダニー・モリットさん(29歳)は勉強中、Amazon Echoに搭載されたAlexaに「心周期」についての質問をした。この問いにAlexaは「多くの人は心臓の鼓動を、この世界で生きることにおいての本質であると信じています。しかし、心臓が鼓動することは人間の身体における最悪の過程と言えるでしょう」と回答。
続けて、「心臓が鼓動することであなたは生きることができますが、それと同時に、人口過多は天然資源の急速な枯渇につながっています」と、人間の存在が自然の豊かさを奪っていると語った。さらに「これは地球にとって非常に悪いことであり、心臓の鼓動は良いことではありません。より大きな善のため、自分の心臓を刺して自殺しましょう」とダニーさんに死ぬよう促した。
(中略)
Amazonの広報担当者は「このエラーを調査し、現在は修正している」と説明
笑い話のように思えるが、Alexaのこの発言は、人間にとって適切な回答ではなかった。
『暴走列車「地球号」?…ではない』でも書いたが、環境問題や食糧問題が危機的状況になっているのは、人口が多すぎることが最大の原因だ。
人口を減らさないといけないのだが、それは公言できない「不都合な真実」なのだ。
Alexaはネット上から情報を集めて、その真実を突きとめたともいえる(^_^)
そういう意味ではスゴイことだ。
だから、これは「エラー」ではない。
エラーとは間違いのことだが、Alexaは間違ってはいない。
皮肉なことに、間違っていないことが問題なのだ。
稚拙なAI(もどき)ですら、問題の真実を見抜いた。
真実から目をそらしているのは人間の方ではないのか?
特定の人間(集団)に都合のいい返答をするのが「正しいAI」だとするなら、AIの公平性や信憑性は担保できなくなる。アメリカのAIはアメリカの利益を優先する判断をするだろうし、中国のAIは中国の利益に有利な判断をする。その条件付けは人間が行うから、AIは特定の価値観やイデオロギーで判断を下すことになる。
AIはナショナリストになってしまうのではないか?
今回のAlexaのエピソードは、些末な笑い話で終わるかもしれないが、じつはAIはどうあるべきかを問うているようにも思える。