山手線でも転落防止ドアの設置が始まるというニュース。
その最初の設置駅が、恵比寿だという。
私が勤めている会社の最寄り駅だ。

転落防止ドアで乗客の安全確保 山手線は全駅で設置へ(産経新聞) – Yahoo!ニュース

 山手線に設置される可動式ホーム柵には3次元センサーが装着され、傘やスティックなどの障害物に対してもより精度の高い検知機能が発揮される。整備にかかる総費用は約550億円という。

(中略)

平成16年度から5年間にホーム上で起きた213件の鉄道人身障害事故のうち、約2割が山手線で発生。酔客が誤ってホームから転落する事故が多いという。

現在の恵比寿駅の様子が以下。

恵比寿駅ホーム

▲電車が入っていないときはこんな様子。

恵比寿駅ホーム(電車進入中)

▲電車が進入すると、柱との間が狭くなる。いわゆる「黄色の線の内側」は人1人が歩くのも余裕がない。恵比寿駅はまだマシな方だが、新宿駅はもっと狭い。

「人身事故」という呼び名で、頻繁に遅延が起こる都内の電車だが、山手線もようやく転落防止ドアを設置することになったようだ。

550億円の費用も高いが、全駅に設置するまでに8年くらいかかるらしい。つまり、それまでに「人身事故」はまだまだ起きるということ。
高いか安いかという話で考えれば、人身事故が起きた場合に賠償額が発生したら、どのくらいかかるのか?……と考えてみると。

交通事故の死亡事故の場合、保険による保障や遺族への慰謝料などは、だいたい3000万円くらいになっているようだ。
ある意味、これが命の値段。

前述の記事から、5年間の山手線の事故が43件くらい、すべてで死亡事故になっているわけではないだろうが、仮に43件の死亡事故があり、その原因が駅設備の不備だとしたら、

3000万円×43=12億9000万円

の賠償が発生することになる。

意地悪な見方をすれば、550億円の設備投資をするよりも、事故の賠償金を払う方が費用はかからないということになる。
それが、転落防止ドアをつけなかった、裏の理由なのかもしれない。

転落防止ドアを設置したらどう変わるか。
設置後の様子もレポートする予定。

諌山 裕

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