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【サッカー】監督を代えられない訳

 先の日韓戦から、だいぶ日にちが経ったが、岡田監督解任論はメディアやブログでくすぶりつづけている。
 監督だけの問題ではないにしろ、監督がカギであり柱であることは間違いない。
 サッカーファンはW杯を楽しみにしているが、負けることを楽しみにしているわけではない。
 勝って欲しいのだ。
 勝つためには、今、なにができるか?
 その期待に応えて欲しいがために、監督批判や協会批判をしている。
 しかし……、協会には馬耳東風のようだ。

 本日読んだ関連記事が以下。

「日本代表は岡田と心中 ウルトラC・オシム氏再登板“消滅”」:イザ!

 協会が岡田監督更迭の決断ができないのは表向き、後任がいないから。だが、スクランブル登板の適任者は1人いた。前任のオシム氏だ。協会関係者は「体力面の不安はあるが、本人に言えばやる気はあるでしょうね」と話し、実際、オシム再登板の機運は協会内で確かにあった。もとはといえば現在のチームはオシムジャパンでスタートしており、4カ月を切ったW杯本番まで今なら十分間に合うタイミングでもあった。

 しかし、犬飼会長が「これまで3年チームを作ってきた。ここに来て新しい人というのはリスクがある。今まで積み上げてきたことをやるのが重要」と岡田監督続投を決めてしまったことで、完全に話は流れてしまった。

日本は岡田監督と心中

「期待度“史上最低”の日本代表…それでも岡田監督でいくのか」:イザ!

 W杯までに強化に費やせるのは30日。指揮官が質を高めようとすればするほど、同じ時間を共有させるためメンバーは硬直化されるだろう。現時点でチーム内に目立った不協和音は出ていないが、このままでは主力と控え組との間に溝ができたドイツW杯の二の舞になる恐れも否定できない。岡田監督は「チームには必ず波がある。もう一段上がるためのステップで、そこは指導者としての我慢のしどころ」と言う。だが今のサッカーを続けていけば結果が出るという根拠も予感も示せていないのに、盲目的に信じろといわれても無理がある。

 それでも日本サッカー協会は岡田監督の続投を早々と宣言した。その理由も後ろ向きで気に入らない。ひどいパフォーマンスを認めながら「(残り)4カ月で新しい人を使うのはリスクが大きすぎる」(犬飼基昭会長)。本当にそうだろうか。新監督のもと本大会1次リーグ3戦全敗に終わるリスクは確かにあるが、そうなったとしても「岡田監督を続投させるべきだった」との声が上がるとは思えない。それ相応のリスクを冒さないと、日本がW杯で世界を驚かせることはできない。

監督解任できない事情(AERA) – Yahoo!ニュース

■欧州組の「ダメ」発言

 確かにコンディションにはばらつきがあった。FWの不調で目立たなかったが、中村憲剛の動きはひどかった。選手は、今年がどんな年かわかっているのか。「W杯ベスト4」というのは、日々の取り組みも含め、全力を尽くして大きな目標に挑もうという意味だ。このサッカーでベスト4に行けるということではない。選手たちの間に、「このサッカーではダメ」という声が出てきたら、このチームは終わり。実際にそんな声も、漏れ伝わってくる。
 中村俊輔、長谷部誠ら不在で戦った今回の敗戦後、岡田監督は欧州組の合流に期待すると話した。ただ、その欧州組の一人が、「このサッカーではダメ。日本しか知らない指導者では勝てない」と漏らしているという話もある。選手のほうが、本場を知っているといわんばかりの発言という。
大住 口でベスト4、ベスト4と念仏のように唱えていれば極楽浄土に行けるわけではない。昨年の秋までは、チーム全員で何かをやってやろうという雰囲気があった。しかし、今年に入って「この攻撃はW杯でも通用する」と判断できた場面は、皆無。このチームが目指しているのは、守りを固めて少ないチャンスを生かそうというサッカーではない。全員が惜しみなく動いて攻めるサッカーをすれば、何かが伝わってくるはずだが。
伊東 オシムの時のほうが、選手が走っていたと懐かしむサポーターも多い。
大住 チーム全体の守備は、現在のチームの方がいい。ただ、相手ボールの時の運動量は多いのだが、マイボールの時に走らない。オシムの時に比べて、ボールの保持ができていない。
中川 チーム作りの方向は正しいが、今年に入ってロードマップを描き間違えた印象だ。韓国戦の翌日は、奮起を促そうと、あえて厳しい記事を書いた。

 どの記事も、かなり厳しい批判をしている。
 期待が持てないということだろう。
 このまま、なにも変わらずにW杯に突入しても、おそらく予想通りの展開になる。期待するとしたら、相手が自滅してくれることだけを祈るしかなくなる。
 ファンやメディアから叩かれるばかりだと、選手のモチベーションも下がってしまうだろう。ますます負のスパイラルに落ち込んでしまう。
 3月3日のバーレーン戦で、もし負けるようなことがあったら、フラストレーションは最悪になる。
 いや、むしろここで負けた方がいいのかもしれない。
 監督交代のラストチャンスでもあるからだ。

諌山 裕

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