昨日の大規模停電で、私の自宅も停電していた。
当初の発表では自宅の地域は含まれていなかったのだが、帰宅したら各種家電が停電したことにより影響を受けていた。特に、時計がついていて、タイマー機能がある家電は、時計がリセットされたり誤表示になったりしていた。バックアップ電池がついているものは、時計は生きていたので難を逃れた。
ここまで広範囲の停電は久しぶりだ。
東京都内の大規模停電、地下ケーブルの発火が原因か 経年劣化の可能性も – ITmedia ニュース
東京都内で10月12日午後3時30分ごろ発生した大規模停電について、東京電力は同日、埼玉県内に埋設した送電ケーブルが発火して起きた火災が原因になった可能性があると発表した。施設の経年劣化の可能性も考慮し、今後調査するという。
使われているケーブルを見ると、油や紙素材が使われているので、かなり古いタイプ。35年間、交換していないとのことだが、そりゃ劣化するよ。製造されたときに、耐用年数が35年とは謳ってなかったと思うのだが?
絶縁に油や紙といった燃えやすい素材が使われているから、漏電したら燃えるよ。しかも、27万Vという大電圧。
最近の送電ケーブルはこんな感じ。
ポリエチレンを架橋反応により立体網目状構造として、ポリエチレンの欠点であった耐熱性を大幅に改善し現在ではプラスチックケーブルの絶縁材料として主流となっており適用電圧も600Vから500kVの広い範囲で使用されています。
耐熱性を考慮した素材になっているようだ。
停電が広範囲に及んだのは、送電線が細かく分岐する前の大元だったからだ。血管にたとえれば「動脈」みたいもの。そこが切れたから、下流が全部断たれた。
この事故が発生したとき大騒ぎにはなったが、「テロか?」と騒ぐ人は少なかった。
今まであまり注目されることはなかったが、都市の弱点を露呈したことになる。たった1箇所を切れば、約58万戸の電気を止められ、都市機能を部分的に麻痺させられる。
ニュース報道で事故の詳細を報じているのだが、それはテロリストに攻撃対象の攻略法を教えていることにもなる。無人の変電所は、高い塀に囲まれているといっても、侵入不可能なわけではない。陽動作戦として変電所をターゲットにすることは、十分に考えられる。
日本では911のような大規模テロは起きないと、どこか安心している風潮がある。テロに対する警戒といっても、警察官がちらほらと配置され、ゴミ箱が封印される程度で危機感とか切迫感は乏しい。そういう意味では、日本は平和だ。アメリカだったらテロの疑いがあれば、警察の大出動や軍隊の投入があっても不思議ではない。
火災を起こした変電所と同時期に作られた施設や送電線は、ほかにもたんさんあるのだろう。それらは時限爆弾のようなものだ。新しいものに取り替えるにしても、時間もコストもかかるから、すぐには無理そうだ。
今後、立て続けに同様の事故が発生しそうな予感。
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それは難しいなあ。
大事なところは自家発電設備があるだろうし、一般家庭は供給経路を変更するなどしてすぐに復旧できるでしょう。