「東京五輪エンブレムのパクリ疑惑」の続報。
やっぱりというか、当然というか、ベルギーのデザイナーがパクリ疑惑の五輪エンブレムに対して、申し立てを起こすようだ。
五輪エンブレム、使用差し止め申立へ ベルギーの劇場:朝日新聞デジタル
2020年の東京五輪のエンブレムと、ベルギーにあるリエージュ劇場のロゴマークが似ているとされる問題で、デザイナーのオリビエ・ドビさんと同劇場は31日、国際オリンピック委員会(IOC)に著作権の侵害の疑いがあるとして、使用差し止めを求める申立書を送付する。ドビさんが朝日新聞に明らかにした。
商標権ではなく、著作権の侵害というところがポイントだね。
商標権は取得しないと権利は確立しないが、著作権は創作物には自動的に発生する権利。
作ったデザイナーの立場であれば、「これ、パクってるだろ?」と思うのは、心理としては理解できる。たまたま似てしまったにしても、「オレの方が先」という権利はある。
本当のところは、五輪エンブレムを作った佐野氏にしかわからないが、真意はどうあれ「パクりました」とはいえないだろうね。それいったら、これまでのキャリアを台無しにしてしまうし、仕事も名誉も失ってしまう。
会社組織でデザインを作っている場合、チームで仕事をしていることも多いので、佐野氏個人がデザインを1から10まで作ったとは限らない。スタッフから出たアイデアを下地にして、ブラッシュアップしたのが佐野氏だったということも十分に考えられる。そのスタッフが、アイデアを他所から拝借していたとしたら、佐野氏にはわからなかったという話にもなる。
いずれにしても、ロゴデザインの仕事は、CI(コーポレート・アイデンティティ : Corporate Identity)の一環として、制作費も高くつく。大企業のロゴデザインなんかだと、数千万~数億円単位の仕事だ。
オリンピックという世界的な大イベントなので、エンブレムのデザイン料は、億単位なのではと想像する。
名誉であると同時に、美味しい仕事でもある。
前エントリでも書いたが、訴訟沙汰になれば、落としどころとしては和解金あるいは損害賠償金として、金を払うことで決着するのだろう。その額も億単位かもね。
リオ五輪のエンブレムも類似性が指摘されたが、そのまま押し切っているので、東京五輪も押し切るのだろう。ただ、イメージとしては訳ありになってしまったのは否めないね。