安倍首相は、言葉の使い方が下手な人だ。
レトリックはときに感銘を与えるが、ときには墓穴を掘ることになる。
Yahoo!ニュース – 時事通信 – 野党女性議員、柳沢厚労相の辞任求め集会=民主・菅氏「恥ずかしい国」と批判
民主党の菅直人代表代行は「柳沢氏は少子化対策担当として最も不適格な人だ。『美しい国』ではなく『恥ずかしい国』になった」と批判した。
「美しい国」というスローガンを掲げる首相だが、その意図するものがあまり抽象的であり、「美」の基準も定かではない。
曖昧であるがゆえに、解釈がいろいろとできてしまうし、首相の言動や行動に対して、ツッコミを入れやすくなってしまった。
首相本人が考えたスローガンなのかどうかはわからないが、間違った言葉の選択をしてしまった。
ことあるごとに「それは美しい国なのか?」と、問われてしまう。
安倍首相の最大の失策は「美しい国」などと、達成不可能な目標を掲げてしまったことだ。
かつて、ケネディ大統領が、60年代のうちに人類を月に送る、とした名演説は、達成は困難だが不可能ではない目標であり、意義のある道筋だった。
それが後世に残る名演説となった。
早くも、安倍首相の後継争いが始まっている。
首相になる前の安倍氏は、拉致問題などで一定の評価を得ていたが、首相になったとたん、リーダーシップや政治家としての魅力や能力が足りない人だとわかってしまった。
周囲の政治的なしがらみがあって、自由に動けないことはあるだろうが、彼の一言で世の中は動くのだ。
その一言を行使したのが、前首相の小泉だった。
美しい国とはなんなのか?
少なくとも、安倍氏がその国を実現することはないだろう。
それだけは確かだ。