Gerd AltmannによるPixabayからの画像

日本人の平均身長が、世界29位になったというニュースなのだが……

日本人の平均身長、50年間で10センチも伸びたのはなぜ?―中国メディアが分析|中国情報の日本語メディア―FOCUS-ASIA.COM – 中国の経済情報を中心としたニュースサイト。分析レポートや特集、調査、インタビュー記事なども豊富に配信。

中国・新華網は9日、日本人の平均身長がこれまでの50年間で10センチ以上伸びた理由について分析する記事を掲載した。

2014年版の世界の男性の平均身長ランキングで、日本男性は170.7センチメートルで世界29位に入った。戦後初期には160センチほどで、日本人は半世紀のうちに10センチ以上、身長が伸びたことになる。14年に中国人男性の平均身長は169.7センチで、世界32位だった。

なんでもかんでも日本と比べて優劣をつけようとする国民性って、どうなのよ?
身長で抜かれたことが、そんなに重要なんだろうか?
まぁ、ニュースソースが中国だからしょうがないとは思うが、お隣の国のことはおいといて……。

「50年間で10センチ以上伸びた」とはいうものの、実感としてそんなに背が高くなっている気がしないね。統計的なデータとしてはそうなんだろうけど、周りを見渡すと、背が高くなったなーという感じがしない。

そこが「平均」というトリックでもある。少数の身長の高い人がいると、平均は上がる。もっとも多くの人が集中する「中央値」で見る方が、実態としては適している。

記事では日本と中国のことしか書いてないので、ランキングの全体像はどうなのかと調べてみた。
調査年度は違うが、比較的近いものがあった。

図録▽平均身長の国際比較

平均身長の国際比較

これを見ると、ヨーロッパがずば抜けて高い。平均で180cmということは、180cm以上もざらにいるということだからね。サッカーで、日本代表がオランダなどと対戦すると、大人と子供くらい身長が違うから、あの体格にはかなわないと思ってしまう。

ちなみに、寒冷地のヨーロッパで身長が高くなる(体格が大きくなる)のは、「ベルクマンの法則」のためだという。
要約すると、寒冷地では体温維持のために放熱を抑える必要があり、そのためには体が大きく体表面積が広い方がよい……ということらしい。

私の身長は182cm。昭和30年代生まれ世代としては高い方だった。
満員電車に乗るとよくわかるが、私より背が高い人は極めて少ない。頭半分~1つ分抜き出ているので、周りの人たちの頭頂部が見える。ほとんどが私より若い世代なのに、私の身長を超える人が少ないのはどうしたわけか?(笑)

私の世代は、栄養状態がよくなった時代(いわゆる高度成長時代)に子供時代を過ごして成長したから、親の身長を超えるのが当たり前だった。
私の世代が親になり、その子どもたちが現在の若者世代だ。
だけど、親の身長を超えるのは希だ。
食生活や環境の変化だけでは、私の世代のような劇的な変化は起こらないということか。

ベルクマンの法則が成り立つのなら、日本国内でも北の方が身長は高いのか?
ということで、データを調べてみた。

都道府県別の平均身長一覧:スクスクのっぽくん

このデータは17歳の身長なので、まだ伸び盛りではある。私自身は、中学2年~高校3年の間に、20cmくらい伸びてるからね。
上記のデータをグラフにしたのが以下。※クリックで拡大表示

都道府県別の平均身長ランキングのグラフ



傾向として、北の方、寒い地方が若干高めになっているのがうかがえる。わずかな差ではあるが。
遺伝的な特質は、そうそうガラリとは変わらないので、日本人の平均身長が私の身長を超えるには、数百年~数千年はかかるのかもしれない。

未来世代は進化しろよ(笑)。

諌山 裕

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