子供たちの継続的なネット使用による、脳への影響についての研究報告の記事。
その結果は、かなり衝撃的だ。
記事は概略だけなので詳細はわからないが、学校でのタブレット導入などがいいのかどうかの議論が必要かもしれない。
ネットを毎日使い続けた子どもの3年後の脳画像が衝撃…認知機能、記憶や学習に関わる海馬のほか、言葉や感情を処理する領域の発達が止まっていた | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい
みなさんもこんな経験が一度はあるはずです。
紙にペンで文字を書く代わりに、スマホで文字を打つようになると、漢字が書けなくなります。インターネット上の地図が導くままに運転をしていると、道を忘れてしまいます。
Use it, or lose it.
インターネットの使用で脳をサボらせるオンライン習慣がついてしまうと、一体どんな悪影響があるのでしょうか?
東北大学加齢医学研究所では、平均年齢約11歳の子どもたち223人を3年間追跡調査することで、インターネットの使用と脳の発達について調べました。
3年後に同じ計測を行なった結果、インターネットをたくさん使っていた子どもたちほど、3年間の言語能力の発達が小さく、幅広い範囲における脳の発達にも悪影響が見られました。
黒い部分が、発達に悪影響が見られた脳の領域を表しています。幅広い範囲に色が塗られていることがわかります。
この写真は、脳の神経細胞の本体が集まっている灰白質の発達を表しています。神経線維が張り巡らされている白質についても、幅広い領域で発達への悪影響が見られました。
これまで、同様の研究をテレビやゲームでも行なってきましたが、ここまで脳の広範囲における発達に悪影響が見られたのは初めてのことでした。
発達に悪影響が見られた脳領域には、認知機能を支える前頭前野、記憶や学習に関わる海馬のほか、言葉に関係する領域、感情や報酬を処理する領域などが含まれています。どれも私たちが生きる上で必要となる大切な機能です。
脳の発達は、ほとんどゼロに近い数値
特に衝撃を受けたのは、インターネットを「ほぼ毎日使用する」と回答した子どもたちの脳の発達は、ほとんどゼロに近い数値となっていたことです。つまり、インターネットを毎日使っている子どもたちは、3年間で脳が全く発達していなかったのです。
3年間で脳が全く発達していなかった
というのは、驚き。
進化どころか、退化しているようなものだ。
これが本当なら、10年後、20年後の社会は、知能レベルの低い大人ばかりになってしまう。世界的にこのような現象が生じているとすれば、理性的・理論的にものごとを考えられず、感情的で衝動的な行動を起こすようになり、秩序や平和のない世界になっていくのかもしれない。
その兆候として考えれば、アメリカのトランプ元大統領とその支持者たちの言動や行動は、脳のの劣化が一因としてあるようにも思う。
スマホが世界を破壊する……
おそらく、誰も予想していなかった未来だろう。
サイバーパンクのような、テクノロジーが人類を飛躍的に進化させる……というのは幻想で、むしろ逆に人類を劣化させるとしたら……。
スマホが原因で脳が発達しないとすれば、人工的発達障害ということになる。
これは大問題になる。
一種の公害ともいえる。かつての公害は、地域限定の化学物質による健康被害だったが、スマホによる健康被害は、もっと広範囲で影響が大きい。
「最近の若者は……」というのは、古代からいわれてきた定型句ではあるが、それが比喩的な意味ではなく、脳機能的な障害ということになると、かなり深刻だ。
この研究からわかることは、問題はすでに発生していて、20歳以下の子供たちの何割かは発達障害になっている。その子供たちが大人になり、社会の大半を占めるようになると……。
想像するだけで暗い未来だ。
それで思ったのは、寿司ペロ動画に代表される若者の迷惑動画は、人工的発達障害が一因なのかもしれない。
アメリカでは商店での略奪行為が頻発しているというニュースが流れてくるが、それに加わっているのも若者たちが多い。これも人工的発達障害かもしれない。
気候変動問題、パンデミック、食糧問題、水不足問題、人口増加問題……等々、悲観的な未来予想が多いが、そこに人工的発達障害が加わると、もはや救いようがない気がする。
未来はディストピアだね。