ウクライナに侵攻したロシアを巡って、情報戦というか真偽不明な情報が飛び交っている。
ロシアは一部の国を除いて、世界から総スカンを食っているが、欧米発の情報がどこまで事実なのかはわからない部分もある。
ロシア寄りの発言をすると非難される風潮だが、そんななかで田中宇氏の記事はかなりロシア寄りだったりする。
プーチンの策に沿って米欧でロシア敵視を煽るゼレンスキー/田中宇の国際ニュース解説
ウクライナのゼレンスキー大統領が2週間ほど前から、米英独伊カナダイスラエルなど、ロシア敵視の欧米諸国の議会でビデオ演説し「ロシアとの戦争に参加し、対露経済制裁を強化してほしい。プーチンを許すな」と求めている。日本の国会でも3月23日に演説する。この展開に関して私が抱いている疑問は、ゼレンスキーが世界に対してロシアと戦争してくれ、経済制裁してくれと扇動しているのに、それによって脅威を受けているはずのロシアが、ゼレンスキーの通信手段を切断して封じ込めることもせず、世界にロシア敵視がばらまかれるのを黙認していることだ。ロシアはゼレンスキーのビデオ演説を妨害しようとしたが失敗したのか。そんなことはない。ロシアはウクライナの制空権を奪り、ゼレンスキーの居場所も知っており、ゼレンスキーと世界との通信手段を破壊できる。それをしないロシアは、ゼレンスキーがロシア敵視を世界にばらまくことを意図的に容認している。
田中氏は陰謀論大好きな人なので、眉唾な感じもする。
この戦争に黒幕がいるとして、世界を牛耳る組織なんてのは実在するのだろうか?
もし、田中氏の主張が事実だとしたら、これはピュリッツァー賞ものの大スクープになる。
引用した部分に事実誤認があるので指摘しておきたい。
「ゼレンスキーの通信手段を切断して封じ込めることもせず、世界にロシア敵視がばらまかれるのを黙認していることだ。」
という部分。
有線のネットワークは破壊されたようだが、衛星回線が活用されている。
衛星を破壊することは難しいだろう。
その衛星回線とは、SpaceXのStarlinkだ。
イーロン・マスクがウクライナに提供した「衛星インターネット」、その可能性と課題とは | DIAMOND SIGNAL
「イーロン・マスクよ、ウクライナにStarlinkを提供してほしい」
ウクライナの副首相兼デジタル・トランスフォーメーション担当大臣、ミハイロ・フョードロフ氏がTwitterでこう訴えたのは、2月26日のことだ。
Starlink(スターリンク)とは、イーロン・マスク氏が率いる宇宙スタートアップ・SpaceXが提供する「衛星インターネットアクセス」のサービスである。ウクライナではロシアの侵攻以来、インターネットがつながりにくい状況が起きていた。
フョードロフ氏のツイートから約10時間後、マスク氏は「Starlinkのサービスがウクライナで稼働した」と返信。追加のStarlink用端末もウクライナに輸送された。SpaceXは、1月の大規模な火山噴火にともない、海底通信ケーブルに被害を受けたトンガにも、Starlinkの提供を進めている。
ゼレンスキー大統領のSNSの発信も、これを使っていると思われる。
Starlink用端末はどういうものかというと……
普通のBS・CS用アンテナと大差ない大きさだ。
これをひとつひとつ破壊するのは、かなり難しいと想像する。それがたくさんあれば、全部を潰すのは至難の業。
ロシアはネットを遮断しないのではなく、できないんだろう。
荒技としては、成層圏で核爆発を起こして通信をシャットダウンすることは可能だが、その場合、ロシア自身も通信がダウンする。
極超音速ミサイル「キンジャル」を使ったともいわれているが、標的は見当違いの場所だったらしい。
ロシアは兵力としては優位でも、近代化については遅れているのではないか。
Starlinkは想定外だったのではないかな?