NFTアートについて、Twitterでコメントしたのだけど、もうちょっと詳しいことを。
そのツイートは以下。
高荷義之さんも加藤直之さんも、私の好きなアーティスト。
その筋では有名作家ですが、NFTアートの世界では知名度は高くない。
Openseaは世界マーケットであり、多くは海外ユーザで日本人が少ないのも一因。
高荷さんの書き込みで、
絵画を散逸することなく、生活費を稼ぐ。これは画家、イラストレーターにとって大きな命題であった。その一つの回答が「NFTアート」である。
というのは、理想論としてはそうなのだけど、現状はそうなっていない。
システムの可能性として、そういう可能性があるとは思う。
ただ、私のツイートにも書いたように、現状は投資対象としてのNFTなので、アートの本来の価値とはかけ離れた評価基準で、売れ筋作品が決まっている。
ここ数か月、Openseaの動向をウォッチしているが、あんな作品が売れてこっちの作品が売れてないのはどうしてなんだ?……という実態を目にしてきた。
高荷さんの作品も、まだ売れていないようだ。
値付けは本人が行うが、売れたときに初めてNFTとしての価値が確定する。
たとえば、戦車の作品。
最初の出品価格は、5イーサリアム(約1,841,500円)と強気の設定にしていたようだが、徐々に値下げして0.7イーサリアム(約258,139円)にしている。
※換算レートは執筆時点のもの。
Openseaでは実質的に知名度のない高荷さんなので、5イーサリアムはべらぼうに高すぎ(^_^)b
0.7イーサリアムでも高い。
NFTを買う人は、それを転売して利益を出すことを目的にしているので、最初から高いと転売しにくくなってしまう。
余談だけど、Descriptionには英語も表記した方がいい。
多くのユーザは海外の人たちなので。
よく売れている価格帯は、0.1イーサリアム(36,915円)以下。
固定価格ではなくオークション形式では、0.005イーサリアム(1,846円)〜0.01イーサリアム(3,692円)くらいで買い手がつくような感じ。
つまり、0.01イーサリアムで売れても、アーティストの収入としては雀の涙。
これだけでは食えない。
そこでロイヤリティを設定して、転売されて価格が上昇したときに、10%なりの二次収入を得るという、長期戦略を採ることになる。
知名度のバロメーターとしては、♡(favorite)の数がどれだけあるか。
売れてる作品は、その数が3桁くらいある。それだけたくさんの人に見られているということ。
favoriteが1桁の段階では、ほとんど売れないと思う。
以前はアクセス数を表示していたのだが、システム変更にともなって現在では表示されなくなった。
※アクセス数が復活したようだ。
NFTアートは、アーティストの救世主になりうる可能性は秘めているが、まだ混沌としていて暗中模索の状態。
投資対象としてだけでなく、アート作品とアーティストの評価につながるようになるには時間がかかりそう。
「NFTアートの現状(その2)」に続く。