ワクチン接種有効性で、ちょっとずるい説明

数値を示して適格性や安全性を説明することは、科学的である印象を与える。
データを示すことは必要なのだが、その使い方によっては少々ずるい説明になってしまうことがある。
以下の記事は、そんな一例。

新型コロナワクチン接種後に新型コロナに感染した「ブレイクスルー感染者」の特徴とは(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース

CDCは「新型コロナワクチン接種者のうち5800人が新型コロナを発症した」と発表しました。

「5800人も!めちゃ多い!やっぱりワクチン効かないんじゃ?」と思われるかもしれませんが、ワクチン接種したのは7700万人のうちコロナに感染したのが5800人、重症化したのが396人、亡くなったのが74人ということですので、新型コロナワクチン接種者のうち

  • 0.008%の人が新型コロナに感染
  • 0.0005%の人が重症化
  • 0.0001%の人が亡くなった

ということになり、頻度としては極めて低いことが分かります。

ワクチン接種後に感染した人の人数が、いかに少ないかの説明だ。
0.008%はたしかに、「極めて低い」といえる。
だが、ちょっと待て。
ここには数字のトリックがあるんだ。

日本の人口は、1億2548万人(2021年3月1日現在)
新型コロナの累計感染者数は、588,482人(2021年4月29日現在)
同、累計死者数は、10,203人(2021年4月29日現在)

パーセンテージを計算してみよう。

感染率=(588,482÷1億2548万)×100≒0.46%
死亡率=(10,203÷1億2548万)×100≒0.0085%

人口に対する感染率は0.46%と、十分に低い。
そして、死亡率は0.0085%と、この数字は忽那氏の言葉を借りれば「極めて低い」ということになる。

欧米のことは別として、日本においては「極めて低い死亡率」なんだ。
専門家と称する人たちやマスメディアが、恐怖を煽ってきたが、じつは「極めて低い」レベルの話だといえる。ようするに騒ぎすぎ。

ワクチンの有効性を、このような数字を使って説明するのであれば、感染状況の実態の数字も同様に評価すべきではないだろうか?
その数字の使い方が、ちょっとずるいと思ったよ。

諌山 裕

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