一部で「ウレタンマスクはお断り」の動きがあるという。
私は以前から、マスクの防御性能が低いウレタンおよび布製のマスクは、「感染対策の徹底にはならない」と書いてきた。
マスクならなんでもいいというのは、対策としては甘い。
関連記事→ 富岳シミュレーション→ウレタンマスクはNG
各地でウレタンマスクが“悪者扱い”、病院や学校で「お断り」 あるイラストが誘因か|まいどなニュース
劇場のみならず、病院などでもウレタンマスクでの来院者を制限する動きがある。札幌市のある病院では、マスクなしの患者とともに「布製・ウレタン製マスクでご来院された場合は、お断りさせて頂く場合がございます」と、公式ウェブサイトで明記している。
(中略)
飯田教授の研究によると、吐き出す飛沫量と吸い込む飛沫量において、不織布マスクではマスク非着用時に比べそれぞれ20%、30%にまで量を抑えられるのに対し、ウレタンマスクでは50%、60~70%となり、確かに効果が低いことがわかる。
ただ、この研究結果はあくまで「素材の違いにより効果や圧損に違いがあるが、感染抑制には一定の効果があり、マスクを着用することが望ましい」とするもの。
ウレタンマスクNGは正論だろう。
「徹底」というからには、マスク性能を最大限に満たすマスクをしなければ「徹底」にはならない。ウレタンマスクは、ファッション性や呼吸のしやすさを優先して、防御性能を犠牲にしている。それでは感染対策にならない。
医療従事者がウレタンマスクをしないのは、要求される性能を満たしていないからだ。
マスクでどれだけ感染を防げるかについては疑問もあるが、防御の可能性を期待するなら、最低でもサージカルマスクの性能は必要だ。
性能の低いウレタンマスクで、感染予防をしていると思い込んでいる方が問題な気がする。
マスクを別のものに置き換えて考えてみよう。
たとえば、防寒着だ。
雪が降る氷点下の屋外で、寒さをしのぐためには、どんな防寒着がいいか?……というシチュエーション。
ダウンジャケットには、暖かさの目安となる「フィルパワー」というのがある。
一般的には600フィルパワーがあれば十分だとされていて、700フィルパワー以上あれば高品質のダウンなのだという。
この図解のどっちが暖かいかといえば、右の700フィルパワーの方だ。
あなたはどちらを選ぶ?
マイナス10℃以下のような気温では、防寒をしっかりすることは命を守ることにもなる。しかし、命のリスクを顧みずに、防寒性能よりもスリムに見えるからとファッション性で選んだり、着やすさから薄手のジャケットを選ぶだろうか?
防寒着ならなんでもいいとは、思わないのでは? たしかに、ないよりはマシではあるが……。
マスクの種類の選択は、これと同じようなこと。
「マスクならなんでもいい」という指導は、感染リスクを軽視しているように思える。
とはいえ、不織布マスクでも、吸い込みで30%のリスクはある。3割バッターは強打者だ(^^)。
一方、ウレタンマスクは70%のリスクだから、ほぼ役立たずといってもいいくらい。
「徹底」を叫ぶなら、マスクの種類は限定しなければ意味がない。
「ウレタンマスクはお断り」は間違ってはいない。
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東京都HP。
> トップページ > 暮らし・健康・福祉 > 健康・医療 > 感染症 > 新型コロナウイルス感染症 FAQ(よくある質問)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/tosei/news/covid-19_faq2.html
> Q マスクをすれば感染を避けられますか?
という項目がありますが、明確な解答は書かれていません。
てか、「感染を避けられる」という記述はなく、はぐらかしています。
やはり、「マスクでは感染を避けられない」、てことでしょうかね。
とある電車内で。
マスクはしているけど、長い間しゃべりまくっているオバサマがたが、おられまして。
ああ、やれやれ。
マスクはしてないけど、一言も発していない、と比べたら、どちらが迷惑なんだろうかな、と。
そうですね。
「マスクでは感染を避けられない」とは、いえないのでしょうね。
感染対策が根底から覆されてしまいますから。
電車内で、ウレタンマスクをしている人が、ゲホゲホとさかんに咳をしていることがあります。
その人が吐き出すマイクロ飛沫の、5割以上は防御できずに排出されているわけです。
その隣にいる人がウレタンマスクだったら、その飛沫の7割を吸い込んでいることになります。
それで感染しない方が不思議ですね。