なにがなんでも空気感染は認めないのか?

惰性でつけているTVでは、今朝から各番組で新型コロナの話題ばかり。
内容的には目新しいものはなく、耳タコの文言を繰り返しているだけ。
これだけ恐怖心を植え付ければ、過剰反応する人が多いのは無理もない。

「感染対策の徹底」といわれるが、なにをすれば徹底なのかが曖昧。
「これをすれば安全」という方法がないからだ。
「手洗い(手指消毒)、マスク、3密をさける」が徹底項目となっているが、具体的な基準は定まっていない。

手洗いおよび手指消毒については、いちおう医師が提言する方法はあるものの、それを厳密にしている人は少ないだろう。それを厳密に実行すると、家庭内では可能でも、店舗の入口に置かれた消毒液での消毒は、気休め程度にしかなっていない。念入りに手指を消毒するには、数分はかかるわけで、それをやったら入口が渋滞してしまうし、消毒液も足りないだろう。

マスクについては、何度も書いているが、種類を問わないマスク着用では効果は極めて限定的。効果の乏しい種類のマスクをしていても、徹底していることにはならない。それはちゃんとした基準を明示しないからだ。

3密をさけるについては、劇場などでは1メートルといい、飲食店では2メートルといい、もともとは3メートルといわれていた。
その差の根拠は示されていない。
また。電車ではソーシャルディスタンシングは適用されない。電車でソーシャルディスタンシングを厳密に適用すると、1車両に10〜20人くらいしか乗れないことになる。

以下は、トイレが盲点と指摘する記事なのだが……

コロナ第3波襲来、政府が軽視しがちな「トイレ」での感染リスク | デイリー新潮

人の口から出てくる咳や呼気に伴う粒子は「エアロゾル」と呼ばれている。空中に放出されたエアロゾルは、乾燥して粒子の径が徐々に小さくなっていくが、湿気が多い夏ではそのプロセスに要する時間は長く、冬では短い。夏の場合はエアロゾルは大きいものが多く、冬の場合は小さいものが多いということであるが、大きなエアロゾルは、鼻腔などでひっかかって鼻風邪程度、あるいは無症状の感染で終わる可能性が高い。一方、小さなエアロゾルは、肺まで直接届く確率が高いことから、肺炎を起こしてしまうケースが多いというわけである。

(中略)

次に家庭内感染の増加だが、筆者は「トイレでの感染リスクが軽視されているのではないか」と考えている。

新型コロナウイルスの受容体(ウイルスの侵入口)としてACE(アンギオテンシン変換酵素)2に注目が集まっているが、最も多く存在しているのは、肺や喉ではなく、実は小腸や大腸である。小腸や大腸に新型コロナウイルスが感染すると、便と一緒にウイルスも体外に排泄される。

引用の前半部分で「エアロゾル」による感染に触れているが、ここまで書いていながら「空気感染」と書かないのが不思議。
それ、空気感染だよ。

これまた何度も書いているが、空気感染を前提とすれば、現在の感染対策では不十分。
一般的なマスクでは防ぎようがない。

ずいぶん前に書いたことだが、可能な限り防御するのなら、N95マスク、ゴーグル、ニトリルグローブを装備することだ。

参照→ 最強のウイルス感染対策装備とは(2020年2月6日付)

この提案を、私は2月6日の時点でしている(^^)
徹底するのであれば、ここまでやる必要があるだろう。
この装備を徹底度レベル10とするなら、一般的なマスクだけの装備はレベル3程度だ。
医療現場でこういう装備をするのは、それができうる徹底装備だからだ。

トイレが盲点というのは同意だ。
家庭のトイレのことを取り上げているが、むしろ公衆トイレの方が問題だろう。
駅のトイレなどでは、時間帯によっては行列ができるほど混んでいる。それだけ多くの人が出入りしているわけで、ここで接触感染および空気感染が起こっている可能性は高い。トイレの水を流すことで、目に見えない飛沫は発生している。それがあの密室内で起こっているわけだ。

かといって、トイレを封鎖すると、これまた問題だ。トイレを我慢できない人が、トイレに駆け込んでいるわけで、それが使えないとなるとトイレ難民が多く出てくることになる。

日本では法的にロックダウンを強制することができないという。
だが、強制する必要はない。
もっもと効果的なのは、電車(新幹線等も含む)を止めること。鉄道会社に運行の自粛を要請すればいいのだ。電車が止まれば、通勤する人たちを含め、多くは自宅待機を余儀なくされる。鉄道を使った旅行もできなくなる。事実上のロックダウンが可能である。

危機的状況といいつつ、最終手段を講じないのは、じつのところそれほど深刻だとは思っていないからではないか?
欧米に比べれば、桁が2つくらい少ない規模の感染者数と死亡者数にとどまっている。
対処する政府および自治体には、そういう意識があるように思う。

諌山 裕

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