3次元プリンタが注目を集めている……一部ではあるが。
新しいテクノロジー好きの者にとっては、3次元プリンタは次世代のアイテムだといえる。3DCGで作品を作ったりする私は、バーチャルな電脳空間の中の3Dオブジェクトが、手に取れる実体のオブジェクトとして3次元プリンタで出力できたら、どんなにいいだろうと夢想する。
それも個人で手の届く範囲の、廉価なコストで。
そんな3次元プリンタの現状と今後の課題についての記事。
3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(21):【2013年版】3次元プリンタの普及のための5ポイント (1/2) – MONOist(モノイスト)
2012年に注目されたパーソナル3次元プリンタは、今後どうなっていくでしょうか。こと国内においては、いまのようなブームがあるからといって、需要が急増するということは正直考えづらいでしょう。
(中略)
もう1つは、「キラーコンテンツの出現と普及」です。これは前述の「3次元データがもっと普及すること」にも通じてくるのですが、これはどちらかといえば、「パーソナル3次元プリンタにとって大事なこと」といえそうです。
水野操さん、キラーコンテンツになりえるものはありますよ(笑)
それは……
フィギュアやプラモデル
現状、アニメキャラクターのフィギュアやガンダムのプラモデルを集めたり作ったりするファン層は多い。
それらの素材は、PVC(ポリ塩化ビニール・塩化ビニル樹脂)、ABS(アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン樹脂)、ポリストーン、レジンキャスト(ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など)といったものが使われている。
これらの素材は、3次元プリンタで造形に利用される素材とほぼ同等だ。
既存のフィギュアは、製造メーカーが決めた形とポーズで販売されているが、それが3Dデータの形で配布され、ポーズなどを自由にアレンジできるようになれば、ほかにはないオンリーワンのフィギュアを3次元プリンタで実体化できる。
これはフィギュアファンには、たまらない魅力になると思う。
また、3Dソフトでオリジナルのモデルを作ったものを出力できれば、なおいい。
まず、そういったマニアックな層に向けて、コンパクトで低価格の3次元プリンタを出すといいと思う。
フィギュアサイズの出力に限定すれば、対角10インチ(254mm)の出力ができればいい。電子機器業界はアメリカ仕様のインチサイズが基本なので、10インチというのはキリのいい数字だろう。これは現在の小型3次元プリンタ(Objet260 Connex™ )で出力可能なサイズとして実現されている。
フィギュアに次いでニーズがありそうなのは、アクセサリーだと思う。
ピアス、ペンダント、プレスレットなどを自作する趣味の人もいるが、金属素材は無理だとしても、樹脂素材で成型して塗装で金属光沢にするか、樹脂にメタリック顔料を混ぜるなどの方法はある。材料を買ってきて、切ったり曲げたりつなげたりで作るのではなく、画面上の3Dオブジェクトで加工していって、最後に3次元プリンタで出力して完成。3Dデータとして、ベースになる形やデザインが豊富にあれば、作れるアクセサリーのバリエーションも豊富になる。アクセサリーメーカーとしてのアプリケーションの需要も生まれるだろう。
アクセサリーサイズのものであれば、3次元プリンタの出力サイズはもっと小さくていいから、対角5インチ(127mm)もあれば十分だ。
3次元プリンタについては「3Dは映像よりも実物が魅力的」でも触れたが、キラーコンテンツとなるのは「フィギュア」だよ、たぶん(笑)。