「ファクターXを突きとめろ!」の続き。
日本では、なぜ新型コロナによる死者数が少なかったのか?
そのファクターXがなにかを考える動きが、鈍いながらも進みつつある。
いくつか出ている仮説をまとめてある記事が以下。
【医師が検証】新型コロナの死亡者数、日米でなぜこれほど差ができたのか | 社会の今、未来の私 | mi-mollet(ミモレ) | 明日の私へ、小さな一歩!(1/2)
大きな地域差、考えられる要因はおもに7つ
アメリカではなぜここまで死亡者数が増えてしまったのか。逆に、日本ではなぜ死亡者数が抑えられているのか。これは非常に「よい質問」で、答えからいうと現時点では全くわかりません。
(中略)
- 人種の差
- ウイルスの変異などによる差
- 免疫状態の差
- 習慣などの差
- 対策の差
- 医療状況の差
- 感染の起こった場所や、ある意味でのタイミングの悪さ
7つ挙げられているが、詳しいことはリンク先を見てもらうとして。
このうち、4〜7は決定的なものではなく、補完的な要素だろう。ある国には当てはまっても、別の国には当てはまらない要素でもあるからだ。
某大臣が「民度の差」などとバカなことをいっていたが、ウイルスが民度で区別などしやしない(^_^)b
ナンセンスにもほどがある。
その理屈が通るなら、「バカは風邪(コロナ)をひかない」という理由だって成立してしまうぞ。
「私が感染しないのは、バカだからです」
と、いうかね?
アジア圏で死者数が少なかったのには、明確な理由があるはず。
それが遺伝的なことなのか、生理的なことなのか、環境的なことなのか、いずれにしても国情や国民性が違っていても共通している「なにか」だ。
テレビにもよく出てくる専門家たちは、悲観的かつ慎重なことしかいわない(いえない)から、楽観論は皆無だ。
だが、おそらく彼らも本音では気がついていて、日本では新型コロナはそれほど脅威ではなかったと。
とはいえ、可能性として最悪のケースを想定するのが仕事でもあり、気を緩めさせないために、楽観的なことはいえないのだろう。
「なぜ、日本では死者が少なかったのか?」
その理由がわからないために、専門家たちも戸惑っているのかもしれない。
科学はエビデンス(証拠、根拠)が重要だからだ。
その根拠が明確にならない限り、楽観的なことはうかつにいえない。
上記の記事中には以下のような記述がある。
そもそも、インフルエンザの流行も決して舐めてかかってよいものではありません。日本においては、インフルエンザによる超過死亡数は年間約1万人と推計されており、疫学的にはインパクトの大きな感染症であることは間違いありません。
しかしながら、今回の新型コロナウイルス SARS-CoV-2 による感染症COVID-19 はインフルエンザよりも深刻な影響を社会に与えていることも明らかですね。
この差がどこからくるのかについては様々な比較ができるかと思いますが、特に重要なことは、重症化する人の割合(重症化率)と死亡する人の割合(致死率)の違いと、感染のしやすさや症状の出方の違いという、ウイルスと病気の性質によるものといえると思います。
インフルエンザは日本では毎年1000万人近くが罹るといわれています。それにもかかわらず、医療崩壊が騒がれるようなことはないですよね。これは、重症化する割合が低いことが大きな要因でもあるでしょう。それと比べると新型コロナウイルスによる感染症COVID-19は、医療に負担を与えやすい性質を持っているといえるように思います。
著者の峰さん、書いてることが矛盾していると思うのだが?
インフルエンザと新型コロナを比較して、インフルエンザの方が「重症化率」と「致死率」が低いとおっしゃる。
いやいや、数字をよく見てほしい。
感染者数(累計) | 死者数 | 人口に対する死者率 | |
インフルエンザ | 約1000万人(年間) | 約1万人(年間) | 約0.0079% |
新型コロナ (2020年6月8日現在) | 1万7174人 | 916人 | 約0.0007% |
新型コロナの致死率については、現時点で検査に引っかからない感染者がどれだけいるのか推計できないので、「人口に対する死者率」で比較している。誰にでも感染する可能性はあるのだから、すべての国民が感染リスク対象だ。
新型コロナの実際の感染者数が、この10倍いたとしても、まだインフルエンザよりは少ない。1000倍の感染者が出ていないと、インフルエンザと同等にはならない。
新型コロナの感染力が強いとは、一概にはいえないのでは?
そこはちゃんと調べる必要がありそう。
死者数はインフルエンザの10分の1。
つまりは、インフルエンザの方が重症化する人が多いということでは?
新型コロナで医療機関が逼迫してしまったのは、軽症患者も入院させ隔離する対策を取ったためだろう。インフルエンザだったら、薬を処方し、外出は控えるようにいって家に帰して、自宅療養させる。そもそもインフルエンザが流行しても、たいした騒ぎにはならない。毎年のことだからね。
ここに挙げられた7つの仮説のうち、可能性として加えられるのは、遺伝的な違いかな。
これを「遺伝形質差違仮説」と呼ぼう。
ということで、ファクターXの候補は4つになった。
「ファクターXを突きとめろ!(その3)」につづく。