地球温暖化説については、これまでもいろいろと取り上げてきた。
私が一貫して書いてきたのは、考古学的過去には、現在よりもはるかに温暖な時期があり、現在の状況が初めてではなく、異常だと考えるのはおかしいということ。
そして、温暖化の主犯が二酸化炭素だとされていることへの疑問だ。
純粋に科学的知見から温暖化について論議されているわけではなく、政治的、経済的な利権が絡んでいることに胡散臭さを感じていた。
それに関連した記事。
広瀬隆「二酸化炭素温暖化説の嘘が警告する地球の危機」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
「二酸化炭素温暖化説が警告する地球の危機」ではなく、それが大嘘だという話なので、間違えないように。
(中略)
石油や石炭を燃やした時に発生するCO2によって地球が温暖化するという説を流布してきたのは、国連のIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change──気候変動に関する政府間パネル)で、その名の通り、いかにも怪しげな政治集団である。このIPCCは、過去に人類が明らかにしてきた考古学、文化人類学、生物進化学、気象学、地質学、宇宙科学のすべてのデータをまったく無視して、根拠のない「疑似科学」を人類の頭にすり込んできた。
(中略)
このパチャウリ前議長は、温室効果ガス(CO2)の排出権取引で莫大な利益を得る銀行の顧問をつとめ、この取引で多国籍企業とエネルギー業界が生み出す資金を、パチャウリ自身が理事長・所長をつとめる「エネルギー資源研究所」に振り込ませていたことが、2010年1月に発覚した。IPCCは、CO2を食い物にする詐欺グループだったのである。
(中略)
このグラフのように、1998年をピークとして、それ以後10年間も地球の気温が上昇せず、むしろ温度が下がる期間が続いた。その間に、驚異的な経済成長を続ける中国でもインドでも、CO2の排出量が猛烈に増え続けて、地球の大気中のCO2濃度の最高値が毎年更新されていたのである。したがって、CO2が増加しても地球は温暖化しないことが、誰の目にも明らかとなった。CO2温暖化説は科学的に崩壊したのである。
(中略)
IPCCがCO2による温暖化を強調するために「第3次評価報告書(2001年1月)」に明示し、全世界を欺いてきた有名な「ホッケースティックの図」(IPCCが主張してきたグラフの青線→で示される地球の温度変化)は、実際にあった“中世の温暖期”もその後の“小氷期”も抜けている「誤りだらけのデータ」であることが暴露されて、IPCC第4次評価報告書(2007年11月17日)から削除されてしまった。つまり「1900年代の20世紀に入って、工業界のCO2放出量が急増したので、地球が急激に温暖化した」と主張していたIPCCは、「ホッケースティックの図」が真っ赤な嘘だと認めたのである。
長い引用になってしまった。
広瀬氏の韓国を巡る主張には賛同しないのだが、温暖化疑念にについては賛同する。
何度も書いていることの繰り返しになるが、地球の気候を10年〜100年程度のスパンであたふたと考えてもダメなんだ。人間の寿命が、長生きしても100年だから、どうしてもその時間尺度でしか物事を考えられないのが、人間の悲しい性だ。
地球の気候は、数千年〜数万年のスパンで劇的に変わる。
これは考古学などの科学が解明した事実だ。
そのことを無視して、現在の温暖化騒動は語られている。
温暖化の比較の対象は、以前は1930年頃だったと思うが、現在は産業革命(18世紀後半)以前というもっと昔に設定されている。
これは温暖化を誇張するための、恣意的な基準変更だろう。
人類による工業化が原因だとしているから、工業化以前としたいのだろうが、もっといえば文明以前にすべきなのだ。
とするなら、日本での縄文時代(約1万6000年〜1万4000年前)の方が、より適切だともいえる。
縄文時代初期は温暖化していた時期で、気温は現在よりもずっと高かった。そのため海面も高く、関東平野の大部分は水没していた。
また、同時期のグリーンランドは凍結していなくて緑に覆われていて、マンモスが闊歩していた。
現在のグリーンランドで、氷床やツンドラが溶けていると騒いでいるが、いつの時代と比べるかの問題だ。
比較するのなら、縄文時代と比較した方がいい。人類活動の影響は、ほとんどないのだから。
縄文時代に比べれば、現在はまだまだ寒冷な時代なのだ。
人間は1年のカレンダーを作り、毎年、季節が循環すると「錯覚」している。
地球が太陽を公転する周期を1年としているわけだが、じつのところ地球は毎年同じ軌道を回っているわけではない。
完全な円軌道ではないため、太陽に近づくときと遠ざかる時期があり、太陽との距離が変われば、気候にもっとも影響のある日射量が変わる。
気候が毎年同じという認識自体が間違っている。むしろ、同じになることはありえない。
「平年」という考えかたが誤解の元だ。
太陽は水素を燃やして(核融合)して輝いているが、日々、莫大な量の水素を消費していて、太陽風などのガスの放出で莫大な量の質量を失っている。
太陽は徐々に痩せている。
ただ、あまりにも巨大なので、燃え尽きるのに百億年あまりかかるだけだ。
太陽の質量が減っているから、重力も徐々に弱まっていて、地球は少しずつ太陽から離れている。
→ 地球は年間1.5㎝ずつ太陽から離れている?
地球の自転も徐々に遅くなっているので、地球の環境は毎年少しずつ変わっている。
また、地軸の傾きと歳差運動によって日射量が変動する周期(ミランコビッチ・サイクル)によっても、地球の気候は変動することがわかっている。
現在の地球は、気候が大きく変動しやすいサイクルに入っている。
そもそも二酸化炭素を主犯にすることの根拠が曖昧だ。
ここに利権の臭いがする。
温室効果ガスとしては、二酸化炭素以外に、フロンガス、メタンガス、水蒸気などがある。
このうち、フロンガスはオゾン層を破壊するとして、早くから規制されるようになった。
メタンガスは、土壌や家畜から発生するが、土壌からの発生は自然現象でもあり、家畜を規制するのは食料生産に影響するから、規制しにくい。
水蒸気は海から莫大な量が発生していて、それが台風の元になったりするわけで、大部分は自然現象だ。
二酸化炭素は人間が石炭や石油を燃やすことで発生するから、工業化と密接に関係している。
これなら規制の対象にしやすい。
そして、その規制をするための制度を設けることで、排出権取引という市場を作った。
二酸化炭素は見えないし、「モノ」ではないので実物を見て確認する必要がない。排出量は「推定」であり、その量を検証することは不可能。いわば、架空の取り引きが可能なのだ。
極論すれば、空気を売り買いしているようなもの。
こんな美味しい商売はない。
パリ協定 (気候変動)なんていうのは、愚の骨頂。
トランプ大統領は、パリ協定から離脱を表明したが、その理由はともかく、パリ協定にほとんど意味がないことには同意だ。
人類の文明活動が温暖化の原因だというのなら、根本的な問題と解決方法は、人口の抑制にある。
世界人口が多すぎるのだ。
減らすべきは二酸化炭素ではなく、人口だ。
それをいわないのは、なぜなのか?
人口の爆発的な増加は、遠からず食糧難が大きな問題になる。
日本は人口減少にシフトしているが、これは将来をみすえるとよい傾向でもあるのだ。
日本に倍の2億人以上が住めると思うか?
人口密度が倍になった状況を想像してみて欲しい。
現在でも満員の電車が、倍の人間を運ばなくてはならない。もっとも混雑する東西線で乗車率が197%ということだが、これが400%になったとしたら?
都会の住環境で、一般家庭が6畳のワンルームに一家4人が住むとしたら?
食糧自給率が低い日本は、現在の倍以上の食料を輸入しないといけなくなる。
これではディストピアだ。
地球気温を産業革命以前に戻すというのなら、人口も18世紀後半に戻す必要がある。
18世紀後半の世界人口は、約8億人だ。
2015年で、推計75億人とされている。つまり、9割減らさないといけない計算だ。
さて、どうする?