そろそろ秋の番組改編で、最終回を迎えるアニメが多くなった。
週に10本ほどのアニメを見ているが、その中でも一番楽しみにしていたのが「シムーン」だ。
それも終わろうとしている。
キャスト陣はすべて女性! テレビアニメ「シムーン」最終話アフレコ取材レポート
シムーン(Simoun)は2006年4月3日よりテレビ東京系列で放送されているテレビアニメ。キャスト陣がすべて女性など話題と注目を集めている。テレビアニメシリーズのほか、コミック連載、ラジオ「Simoun~電波 DE リ・マージョン~(音泉 2006年7月17日配信開始、毎週月曜日更新:パーソナリティーは、高橋理恵子(ネヴィリル役)、高橋美佳子(ロードレアモン役)) などの展開を見せている。
大空陸という名の異星で繰り広げられる戦いと、そこで“シムーン”と呼ばれる兵器(本来は“神の乗機”と呼ばれる儀式用の乗物)に登場する巫女たちの物語。シムラークルム宮国は、動力装置“ヘリカル・モートリス”を保有することから周囲の国々から攻撃を受けるようになっていた。荒廃していく宮国は、国を守るべく、儀式用の乗物“シムーン”を戦いへと投入していく。この兵器に乗れる者の資格は、この国ではある年齢に達すると人は性別を決めなくてはならないが、その性別を決める前の少女(巫女)たちがそれに相当する。さまざまな想いの狭間にあって、戦いはいよいよ最終局面をむかえていくのである。
異世界ものの作品だが、私たちが現実と認識する世界との接点がほとんどない、純粋な異世界ものだった。
異世界が異世界だとリアルに感じられるには、現実との価値観の共有が可能でありながら、固有名詞や考え方の元となる思想や宗教が異なるものである必要がある。それはやりすぎると理解不能になり、中途半端だと異世界観が乏しくなってしまう。
シムーンはそのへんのバランスがうまく取れていた。
基本が女だけの世界というのは、SF小説では1970年代以降にちょくちょく登場していた。
パッと思いだしたものでは、
『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン
といったところ。
いずれも私が好きな作品だ。
最初、シムーンを見たときに感じた感覚は、「グローリー・シーズン」に似たイメージだった。
シムーンに登場する女の子たちも可愛いが、それ以上に世界観が魅力的だ。
毎週、その世界に浸っていたわけで、終わってしまうのは寂しい。
続編を作って欲しい気がする。
最近のSFアニメの特徴は、70年代〜80年代頃の、当時新感覚のSFと評価された小説のイメージを継承するような作品が増えていることだろう。
おそらく、それらの小説を読んでいた世代が、アニメの制作現場で中核となっているのからではと思う。
秋の新番組では、果たしたどんな収穫があるか、楽しみだ。