今度は卵の摂取で早死リスク?

ちょっと前の記事になるが……。
卵を食べると早死リスクが高まるという研究報告。
なんでもかんでもリスクがあるといいだしたら、キリがないと思うけどね。

CNN.co.jp : 週に3個以上の卵を摂取、心疾患のリスク増大か 米研究

1週間に卵を3~4個食べる人や、食事から1日当たり300ミリグラムのコレステロールを摂取する人は、そうでない人に比べて心疾患や早死にのリスクが高い――。そんな調査結果がこのほど医学誌JAMAに発表された。

(中略)

今回の調査では、食事からのコレステロール摂取が1日当たり300ミリグラム増えると、心疾患に関連したリスクは3.2%高まり、早死にする可能性は4.4%増えるという結果が出た。

卵は1日当たりの消費量が半個増えるごとに、心血管系疾患のリスクは1.1%上昇し、早死にリスクは1.9%上昇するとしている。

やれやれという感じだが、逆に聞きたい。
リスクのない食べ物はあるのか?……と。

と、それに関する記事が以下。

医学的に「健康に良い食べ物」は5つしかない | 健康 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

健康に良いかどうかで分類した5つのグループ

数多くの信頼できる研究によって本当に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と現在考えられている食品は、①魚、②野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)、③茶色い炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類の5つである。

逆に、健康に悪いと考えられているのは、①赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない。ハムやソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)、②白い炭水化物、③バターなどの飽和脂肪酸の3つである。

つまり、白米や小麦粉を使った白いパン、うどんといった精製された炭水化物、牛肉や豚肉、バターは避け、玄米や全粒粉を使ったパン、蕎麦、魚、野菜、果物、オリーブオイル、ナッツなどに置き換えるということだ。

このような食事をすることで、脳卒中、心筋梗塞、がんなどの病気を減らし、健康を維持したまま長生きする確率を上げることができる。

注意してほしいのは、私は加工肉、赤い肉、白い炭水化物などは「体に良くない」と説明しているのであって、「食べるべきではない」と主張しているのではないということだ。

上図では魚は良いとされているが、焼き魚の焦げた部分には発がん性があるとされているから、生で食え、ということなんだろう。
ただし、生で食うとなるとアニサキス等の寄生虫はリスクになる。また、鮮度や調理過程の問題で食中毒のリスクもある。
どういう食べ方がいいのかも問題だろう。

一方で、以下のようなレポートもある。

魚と大腸がんリスク | 現在までの成果 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター

今回のレビュー結果および生物学的機序を総合的に検討した上で、日本人において魚と大腸がんの関連を決定づける科学的根拠は不十分という結論になりました。

この結果は、主に欧米で行われた研究をまとめた最近の系統的レビューやメタアナリシスにおける、魚による大腸がんリスク低下の報告とは一致しませんでした。その理由の1つに、日本人の平均的な魚の摂取量は欧米よりもはるかに多いために、より多く食べているグループの予防効果がみられないのではないかということが考えられます。その他にも、よく食べられている魚の種類の違いや調理方法、加工方法の違いなどが考えられます。

大腸がんに限っての話ではあるが、科学的根拠は不十分だという。

魚そのものは健康食だとしても、環境汚染の影響を強く受けるのも魚類なので、ダイオキシン、水銀や鉛等の金属類、プラスチック類の汚染物質が、魚類には蓄積される。
それを食べれば二次的に人体も汚染される。

言い換えると、魚は環境汚染を体内に取り込む食材ということになる。
これでは健康に良いとはいえなくなる。

となると、魚類を除いて……

  1. 野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)
  2. 茶色い炭水化物
  3. オリーブオイル
  4. ナッツ類

この4つになる。
文字通り「草食系」だね(^_^)。
ただ、これしか食べないとなると、栄養失調になりそうな気もするのだが……?

前述の健康食とされる食品ですら、毎日ナッツばかり食べていたら、お腹を壊しそうだし、玄米ばかり食べていればいいのかというと、以下のような報告もある。

【食の安全考】玄米のとりすぎはがんになる? コメの安全性に世界が厳しい目 その真相は…(1/3ページ) – 産経ニュース

 EU(欧州連合)は今年1月1日からコメに含まれる「無機ヒ素」の最大基準値を設定した。すしなどコメを使った日本食は海外でも人気だが、含まれる無機ヒ素の多さから海外でコメはリスクが高いとされる食品の一つ。

(中略)

水田で栽培されるコメは、土壌から無機ヒ素を吸収し、平均的なもので1キログラム当たり0.1~0.2ミリグラムの無機ヒ素を含むとされる。つまり、コメを多く食べる人は、健康リスクとなる量の無機ヒ素にさらされているといえる。EUがコメ中の無機ヒ素の最大基準値を設定したのは、健康リスクをなるべく減らしたいとの考えからだ。設定された基準値は、1キログラム当たり精米で0.2ミリグラム、玄米で0.25ミリグラム。

(中略)

白米に比べて栄養面で優れているということで、最近は玄米食が人気となっているが、無機ヒ素を多く摂取することを考えれば、毎日玄米を食べるのはやめた方が無難といえそうだ。

毎日、玄米はだめ……だそうな。
はてさて、どうしたものか(^_^)

無農薬の野菜というのは少なく、農薬を使っていれば残留農薬がある。安全基準は定められているが、ゼロというわけではない。
日本は食糧自給率が低いから、大部分の食品は輸入だ。生産性を上げるために農薬等の薬剤を使っていれば、残留する化学物質も口に入れることになる。
つまるところ、なにを食べてもリスクはあるということだ。

話を戻して、「卵」である。

卵の業界は、卵に含まれる「コレステロール=悪」説を否定している。
まぁ、当然ではある。

タマゴと健康 / 日本卵業協会

詳しくはリンク先を読んでもらうとして、卵を1日3個食べるのがいいとする説もあり、結局のところ、白黒はついていない。

仮に、卵の摂取で早死リスクが高まると広く認知されるとするなら、タバコと同じように禁止していくのだろうか?

その「害」は確実にある──「加熱式タバコ」を専門家に詳しく聞いてみた(石田雅彦) – 個人 – Yahoo!ニュース

タバコの人への大きな害は十分に実証され、こんなに有害物質を含んでいると明らかになっているにも関わらず、合法的に社会に出回っている唯一のものがタバコです。人を大切にする社会を作っていくために、その第一歩として、まずタバコのない社会を目指していきたいと思っています

「合法的に社会に出回っている唯一のものがタバコ」というのは違う。
健康リスクをいうなら、「酒」はタバコと同等くらいに害はある。車の排気ガスもそう。なので「唯一」ではない。

上記の文章から「唯一の」を省き、「タバコ」を「タマゴ」に置き換えてみて欲しい。
あるいは、「酒」「肉」「ハンバーガー」「ソーセージ」「白米」でもいい。
発がん性や各種疾患のリスクがあるものは、すべからく社会からなくしていかなければいけない……という理屈になる。

その「害」は確実にある。

この言葉は、なかなかの名言だと思う(^_^)。
「害」が確実になったものは、社会からなくしていこう。
そうすれば、きっとみんなが健康長寿の社会になっていくことだろう。

とりあえず、タバコの次のターゲットは「酒」だと思うよ。

諌山 裕

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