サッカー評論家(?)のセルジオ越後氏の論評や発言については、私のブログでも度々苦言を呈していた。
セルジオ氏の発言は、客観性に乏しいし、感情的で精神論ばかり。
現代サッカーは、スポーツ理論やスポーツ医学などを背景に、もっと理論的になっている。
試合中の選手の動きは克明に記録され、どの選手のどの動きが効果的だったかを検証できたりもする。
スポーツは科学する時代なのだ。
と、そんなセルジオ氏の発言に、乾選手が反論したという。
乾貴士、セルジオ越後氏にかみつく「現場で監督やって」岡崎慎司も意見/サッカー/デイリースポーツ online
サッカースペイン1部リーグ、アラベスの日本代表MF乾貴士(30)がが12日、ツイッターを更新。サッカー解説者のセルジオ越後氏にかみついた。
(中略)
「誰も海外に行っただけで満足している選手はいません。W杯で戦ったり、世界のほんまにすごい奴とやったり、あこがれのリーグでやるために、みんなどうなるかわからん挑戦をしているんです」と反論した。
(中略)
怒りの様子が伝わってくるが、その後、付け加えてツイート。「あ、あとそれだけ色々言うならそろそろ現場で監督やってください!笑」とつぶやいた。
この記事に対する読者のコメントを見ると、「同感」という意見が大半だった。
私も同感。
過去記事にも書いたと思うが、セルジオ氏に独自のサッカー理論があるのなら、それを監督の立場で実証してみせればいい。
机上の空論なら、どうとでもいえる。
しかし、それではただのサッカーファンと変わらない。
かつては選手であり、一時期はサッカー協会の一員でもあったのだし、子供たちに教えていたこともあるセルジオ氏。
厳しい批判が必要といって、なにかとトゲのある発言をしているようなのだが、ダメダメと批判をしているだけで鋭い分析や建設的な提言または提案があまりない。
戦術はこうすればいいとか、選手起用はこうすればいい……といったことを、ある試合が始まる前に言った試しがないように思う。
試合後に、あの戦術は間違っているとか、なぜ先発はあの選手だったのか……といってるだけ。
結果論でいうのは、誰にだってできる。
サッカー評論家にもいろいろな人がいるが、選手経験のない人とある人に大別できる。
選手経験がある人は、自身の経験からの発言になるし、現場の難しさもわかっているだろう。
解説者としてテレビに出る人もいるし、監督として現場に戻る人もいる。
名選手が名監督になれるわけではないが、評論家や解説者として厳しいことをいうのであれば、自身が監督になって持論を証明してみせるのが望ましい方向ではないだろうか。
セルジオ氏と同様に批判的な発言の多い、武田氏にも「あなたが監督をしなさい」といいたい(^_^)。
武田氏は監督ライセンスを持っているようなので、監督ができる立場にいる。J2でもJ3でもいいから、監督をやって手腕を証明すればいいのだ。
そして、代表監督になって世界と戦ってみせよ。
一介のサッカーファンには、資格すら得られないが、武田氏には資格がある。それがペーパーライセンスだとしてもね。
セルジオ氏の発言で気になった記事が以下にもある。
【セルジオ越後】Jリーグの存在意義は?アジアカップで見せ場がなかった国内組の奮起は不可欠だ | サッカーダイジェストWeb
日本が最後にカタールと対戦したのは、11年1月21日のアジアカップ準々決勝だった。その時は日本が3-2で勝利したものの、約8年の間に育成年代を強化してきたカタールに追い越されてしまったようだ。
カタールを引き合いに出して、育成の問題を問うているが、カタールの現チームが成功しているのは、帰化選手を積極的に加えているからだろう。
その手法を使うのなら、日本も帰化選手をたくさん加えればいいという話になる。
広島のパトリックは帰化したい希望があるそうだから、早く帰化させて代表に加えればよい。
また、両親のどちらかが外国にルーツがある選手もいるので、2世選手もどんどん加えればよい。
代表チームの脱日本化というのは、方法論としてはありだ。
メンバーの半数が帰化選手もしくは2世選手になれば、必然的にチームとしてのポテンシャルや戦い方は変わる。
それがセルジオ氏のいう「カタール式育成法」になる。
この方法は、ドイツやフランスのチームが、移民をルーツに持つ選手が多いことからも、類似したチーム作りでもある。いわば多国籍チームだ。
現実的に、セルジオ氏に監督のオファーをするJリーグのチームはないかもしれない。逆にいえば、監督としての期待値が低いのだろうし、口先だけと思われているのではないか?
監督としてのセルジオ氏がどんな采配をするのか、見てみたい気はする(^_^)。