寒い日が続いている。
冬が始まる前、気象庁は暖冬を予報していたが「平年並み」になって、「予想外だった」と弁解していた。
その記事は以下。
<気象庁>今冬は平年並みの寒さ 「予想外だった」と説明(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
「暖冬で日本海側の雪は少ない」(気象庁)と予想されていた今冬だが、平年並みの寒さが続き、4年ぶりの大雪となっている。日本付近に寒気が流れ込みやすい上空の気圧配置が続いていることが主な原因で、気象庁は「予想外だった」と説明する。夏に発生したエルニーニョ現象が予想に反して顕著でないことも影響しているといい、「平成18年豪雪」以来の豪雪となる恐れも出てきた。
(中略)
気象庁は、昨年9月発表の寒候期予報や毎月発表している3カ月予報で、今冬(12~2月)について「気温は平年より高く、日本海側の降雪量は平年より少ない」としていた。気象庁気候情報課は「上空の気圧配置がこれほど長く安定するとは予想外だった。北極付近の気圧が変動するメカニズムは解明しきれておらず、予測が難しい」と説明する。同庁は平成18年豪雪の冬も「北日本を除き暖冬」と予想し、大きく外れた。
数ヶ月先の予報ですら、予測するのは難しい。予想のためのデータや観測が豊富にあっても、予想外になってしまうのだ。
50年後、100年後の予想など、不確定要素が多すぎて、予測不能なのが当たり前。
それなのに、温暖化問題が叫ばれている。地球シミュレーターを使ったところで、予測される変動値をどこまで入れるかで、結果は変わってくる。そもそも気象について、緻密に計算できるほど地球のことはわかっていない。……と、気象庁も認めているではないか。
ちょっと前まで、地球温暖化について異論を唱えると、非難をされたものだが、「疑惑」が表沙汰になって雲行きが変わってきた。
疑惑とは「クライメートゲート」のことだ。
温暖化の根拠となった報告書が、都合のいいようにねつ造されたという疑惑だ。
温暖化に異論を唱えていた論客のひとりが、田中宇氏だった。田中氏は、温暖化問題が取りざたされ始めた当初から疑問を呈していた。
その田中氏の最近の記事が以下。
地球温暖化めぐる歪曲と暗闘(1)――田中宇の国際ニュース解説
木の年輪などを使った指標値より、実測値の方が正確だと考えるのが常識的だ。マンやジョーンズを擁護する人々は「地球の平均気温の変化を表す時、昔の分を指標値で表し、最近の分をより正確な実測値で示すのはまっとうであり、何ら問題はない。『トリック』という言葉づかいが不適切だっただけだ」と主張している。
メールの受信者であるマンは、NYタイムスの取材に対し、確かに自分が受け取ったメールであると認めた。その上で、1961年以後の分について、指標値を実測値に切り替えることを「うまい方法」という意味でトリックと言っただけだ、学界ではよくこうした言い方がされると述べている。NYタイムスは、木の年輪を使うより実測値の方が正確なのだから、マンの言い分は正しいと書いている。 (Hacked E-Mail Is New Fodder for Climate Dispute)
しかし、指標値と実測値を接ぎ木すること自体に問題がなくても、接ぎ木した部分が1960年前後であることは、意図的な歪曲の疑いがある。実測値では、1940-50年代が世界的に気温の高い時期で、2000年以降よりも1940年代の方が高温になっている地域が多い。接ぎ木を60年代からではなく40年代からにしていたら「今が世界的に気温の最も高い時期だ」とは言えなくなっていた。問題のメールにある「下落を隠す」(hide the decline)という言い方には、メールの筆者であるジョーンズ所長が、自分やマンらが主張する「温暖化人為説」を何とかして証明するために、1960年代以後の世界的な気温の下落傾向を隠したいと思っていたことがうかがえる。隠すやり方の一つとして、接ぎ木する年代を恣意的に決めたのだと考えられる。 (How To Hide Global Cooling: Delete The “1940’s Blip”)
地球温暖化めぐる歪曲と暗闘(2)――田中宇の国際ニュース解説
11月末、国連の専門家会議(IPCC)で温暖化対策を推進する中心的存在だった英国のイーストアングリア大学の気候研究所(CRU)で、世界の気候変動のデータに歪曲的な処理がほどこされていたことが、ネット上での情報流出によって暴露される「クライメートゲート」が起きた。暴露されたメールの束の中には、今年10月にBBCが「地球の平均気温は上昇していない」と報じた件で、在米の研究者(Kevin Trenberth)が報道された気温降下を事実と考え「われわれの気候変動データは間違っており、観測方法が不十分だった」(the data are surely wrong. Our observing system is inadequate)と書いているものもある。IPCCの中心だった英米の専門家たちも、地球の気温が上がっていないことを自覚しているわけだ。
(中略)
IPCCは「ヒマラヤの氷河は2035年までに溶ける」とする報告書を以前に出していたが、これは実は「2350年までに溶ける」と書くべきところを誤植してしまっていたと、今ごろになってIPCC関係者が暴露している。2035年氷河溶解説は、各国のマスコミが「事実」として大きく報じ、先進国の政府は、緊急な温暖化対策の必要性を「啓蒙」する象徴的な事象として、この件を繰り返し広報してきた。
(中略)
地球温暖化問題はもともと、英国が主導する先進国が、中国など新興諸国・途上国の経済成長に「排出税」を課してピンハネする策略だ。中国は、途上諸国を誘い、COPによる温暖化対策に反対してきた。しかし、COPが省エネや環境問題の全般にテーマを広げ、意志決定に中国や途上国も参加し、先進国が途上国のために資金を用意してくれるなら、中国や途上国にとって反対すべきものから賛成すべきものに転換する。
(中略)
COP15の合意文は草案のままで、可決もされず「各国が留意すべき文書」にすぎない。各国の排出削減義務量を決める件は、各国の利害が衝突して全く決まらない。しかし、排出削減量の未決をしり目に、高官協議体(G20とIMF)が温暖化対策費の名目でトービン税を世界に課税する「世界政府化」の件は事実上合意された。来年は韓国が主催国となるG20サミットなどで、この件の具体化が模索される可能性が高い。
深読みする田中氏の論調は、ときに先走りすぎとの批判もされるようだが、鋭いところをついていることもあるので、いつも注目している。
温暖化問題が転じて「世界政府化」構想の下地になる……とは、ちょっと違和感があるものの、なにがしかの思惑が働いているのだろうことは想像できる。
違和感があるのは、温暖化問題で主導的な役割をしている各国の首脳たちが、ほんとうに「そこまで」考えているのがどうか、疑問だからだ。成り行き的に、そういう風にも見える……ということなのではないか?……とも思う。
それこそ、数ヶ月先の天気予報ではないが、予想はつきにくい。
あと何年かして、温暖化なんて眉唾だった、ということになれば、「エコなんてばからしい」ことになってしまうかもしれない。
現状は「エコ」がキーワードになって、消費や経済が動いているが、エコが飽きられたら、別の物にすり替わるか、元に戻ってしまうかもしれない。
地球規模の気候を、10年とか100年の単位で見るのは近視眼的だ。厳密なデータがあるのは、ここ100年くらいだからピンポイントの変化でしかない。
考古学的な時間では、過去、氷河期があったり現在よりもはるかに温暖だった時期もあったことはわかっている。そのスパンは、数千年~数万年単位での話だ。
生物が大量絶滅したことは何度もある。これからも起こるだろう。
現状維持することが「自然保護」ではないのだ。変化するのが自然であり、気候は劇的に変化するものである。
毎年が同じ気候……というのは、人間の勝手な都合と幻想でしかない。毎年、違っているのが当たり前なのだ。
温暖化したからといって、金星のように400度の灼熱の惑星になることは、あと数億年はありえない。例えとして金星を引き合いに出すのは、前提条件を無視した愚かな発想だ。
温暖化問題がねつ造だったとしたら、科学者も正直者ではなかったということだろう。
まぁ、それは当たり前のことではあるが、論文をねつ造したり、経歴を詐称したりと、結局は人間くさい欲望には逆らえないということだ。
「真実」が明らかになるのは、いつだろうか?