感染研がエアロゾル感染認める←遅い

いまさらそんなことをいってるのか?
専門家集団であるはずなのに、最新の知見をなかなか受け入れない日本的な体質の表れだね。
もっと早く認めていれば、対策方法は違っていただろうに。

感染研がエアロゾル感染認める 飛沫、接触の報告書から一転 | 毎日新聞

新型コロナウイルスの感染経路について、国立感染症研究所(感染研)は28日、ウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)を吸い込んでも感染するとの見解をホームページで公表した。感染研はこれまでエアロゾル感染に否定的で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染だけを挙げた報告書を発表していたため、国内の科学者が「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していた。

(中略)

公開質問状をまとめた東北大の本堂毅准教授(科学技術社会論)は、エアロゾル感染を感染経路に位置づけた点を評価しつつも「世界では接触感染はまれと言われていることをはっきり国民に周知しなければ効果的な対策は広がらない」と指摘。愛知県立大の清水宣明教授(感染制御学)も「ウイルスを含むエアロゾルで空間が汚染されているから換気が必要ということをしっかり伝えることが重要だ」と訴えている。

それにしても「エアロゾル感染」という言い方は、意味をぼかした言い方だ。

エアロゾル感染=空気感染

である。
なぜ空気感染といわないのか。

エアロゾルの定義は曖昧で、粒子径が0.001μmから100μmと幅がある。この定義でいえば粒子の大きな飛沫もエアロゾルに含まれる。
今回の発表は、通常の飛沫よりも小さな粒子によるものの意味合いだろうから、空気感染(飛沫核感染)というのが適切だ。

飛沫核は水分を含まないので5μm以下とされる。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の大きさ自体は、0.03 μmなので、飛沫核はもっと小さいと想定できる。海外の研究によると、飛沫核は0.25~1.0 μmだという。
また、過去記事で取り上げたが、水分のない飛沫核でウイルスは仮死状態になるが、適切な環境に辿り着くと復活することもわかっている。

▲コロナウイルス(NIAID/アメリカ国立アレルギー・感染症研究所)

空気感染が主体であれば、感染予防対策は根本から変える必要がある。
まず、接触感染は少ないので、手指の消毒はあまり意味がない。
次に、仕切りのアクリル板は意味をなさない。むしろ、換気を邪魔するので逆効果だ。
マスクについては、気休め程度に考えた方がいい。

マスクの性能試験も行われていたが、実験では完全に密着(密封)した状態で通過する粒子をカウントしていた。しかし、実際に人の顔にマスクをつける場合、完全密着というのはありえない。マスクの性能はよくても、それは理論値であって実態とはかけ離れている。

ある実験では、通過する粒子が1000分の1になったと、効果を強調していた。
いやいや、それはトリックというか言葉の綾でしょ(^_^)b
元の粒子数がどのくらいなのか明示していない。仮に10万個の粒子があって、その1000分の1だと、100個は通過する。
問題は100個のウイルスで感染するのかどうか。

呼吸器から生じる飛沫・飛沫核とその感染経路について/東京都立大学 都市環境学部

咳によって発生するエアロ ゾル粒子数を測定し,発病時には平均75,400個,罹患後には平均52,200個であったと報告している。

(中略)

咳やくしゃみほど激しい呼吸器活動ではなく目には見えずとも,会話するだけで声の大きさ に応じて1秒あたり約1~50個の粒子が発生することを報告している

会話で毎秒50個だとすると、30分の会話で発生するエアロゾルは540万個になる。1000分の1を吸引すれば5400個のウイルスが体内に入ることになる。
つまり、1000分の1は安心できる数字ではないということ。

新型コロナウイルスが広がり始めた当初(2020年3月頃)から、空気感染は疑われていたし、そういう研究報告もあったことは、私のブログでも取り上げてきた。
しかし、専門家の権威筋は空気感染を認めようとしなかった。特に日本は認めるのが遅かった。効果がほとんどないウレタンマスクが多くなったのは、空気感染を喧伝しなかったためだ。不織布マスクでも感染はするので、マスクは飾り程度の意味がないにしても、マスクをしていれば大丈夫という過信につながったように思う。

ブログには書かなかったのだが、とあるグループのメーリングリストで、

2022年3月19日付

オミクロンは衰退傾向にあるようですが、マンボウ解除と相反して、変異株のBA.2による再拡大になりそうです。
ヨーロッパや中国の状況を見れば、日本だけ例外ということはないでしょう。

ただ、さすがに第6波まで経験してきて、流行当初のような恐怖感は薄れてきましたね。
第7波は4月になれば来そうですが、マンボウを再発動することはなさそう。
コロナに対する恐怖よりも、経済のダメージの方が強くなっていますからね。
インフルエンザ扱いにするという議論も出ているので、コロナのある日常になっていくのでしょう。

……と、私は書いたが、予想通りの展開になっている。

主たる感染経路は、空気感染である。

これを前提にしないと、対策は対策にならないよ。
これまた何度も書いてきたが、空気感染を前提にすると、もっともリスクが高いのは満員電車なんだ。電車内ではソーシャルディスタンシングはないし、アクリル板もない(効果は別にして)。周りの人と体が接触する距離なので、ほぼゼロ距離。エアロゾルを吸いまくりだ。そこにウイルスキャリアがいれば、感染しない方がおかしい。罹患者の呼気にもウイルスが含まれるという研究報告もあるので、咳をしていなくてもウイルスは放出されている。

さて、第7波はどういう対応をするのかな?

諌山 裕

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