このニュースは、将来のコンピュータ産業にとって、深刻になるかもしれない。
asahi.com :日曜ナントカ学 – be on Sunday「金はなぜ金色なのか」
世界の地下には約9万トンの金が眠る。このうち採算があうのは約4万2000トン。新たな鉱脈が見つからなければ、計算上は17年後には掘り尽くされるという。
金(ゴールド)は、金銭的価値だけではなく、コンピュータ部品の主要な材料のひとつでもある。
それが枯渇するとなると、社会や産業にとっても問題だろうね。
もっとも、リサイクルで循環させていけば、今ある総量でも足りなくなることはないのかもしれない。
ちなみに、金はどうやってできるかは、謎も多い。
錬金術というのは、実際には実現しなかった試みで、ダイアモンドのように人工的に作り出すことはできない。
太陽のような恒星の内部では、鉄までの元素が生成される。鉄よりも重い元素は、太陽ほどのエネルギーと重力があっても作り出せない。
金は鉄よりもずっと重い元素であるから、太陽はもとより地球の内部でも生成されない。
つまり、私たちが手に入れている金は、太陽系ができる前から、宇宙のチリの一部として漂っていたのだ。
では、どこで金は誕生したのか?……というと、超新星爆発の、莫大なエネルギーの中で、鉄よりも重い元素は生成されたと考えられている。
とはいえ、それも推測である。
元素の周期表を見れば、金は原子番号79で、水銀が原子番号80だ。
地殻中の含有量は、水銀の方がずっと多いので、水銀から金を作ればいいことになる。
理屈の上では、水銀から原子を1個はずせば金になる。それが錬金術になるわけだが、それには莫大なエネルギーが必要だ。
それを可能にするのが、超新星爆発ということになる。
太陽系の惑星の組成を見ると、内側の惑星は固体で、外側に行くとガス惑星になる。重い物質が太陽の近くに集まったわけだ。
ということは、地球よりも金星、金星よりも水星の方が重い物質が多いだろうと思われる。
遠い未来、金星や水星に資源を求める時代になったら、金星と水星はゴールドラッシュになるのかもしれない。
……と、そういう背景で書いた作品が『ヴァージン・ヘルメス』なんだよね(^_^)。
この作品は、次号のノベルエアーに掲載するかも。