公開2日目に観に行ったのだけど、レビューを書いていなかったので、とりあえず短くコメントしておく。
向こうの人たち(アメリカ)は、DUNEを好きな人がけっこういるようだ。
映像化は5度目で、映画化は3度目。
映画化の1度目は、1970年代にアレハンドロ・ホドロフスキー監督が手がけたが、未完成のまま頓挫。
2度目は、1984年にデイヴィッド・リンチ監督でスティングが出演して話題になったが、これまた未完成でダイジェスト版として尺を短縮されたものが公開された。
つまり、映画の完成版は日の目を見ていなかった。
今回が三度目の正直というわけだ。
本作は2部作の前編という位置づけだが、原作のボリュームを考えると、2本の映画に収められるのかどうかは疑問。
前編も端折っていて、かなり飛ばしている。
原作は、SF版大河ドラマでもあるので、愛憎劇や政争劇が物語の柱になっている。
そのあらすじだけを追うと、ありふれた冒険物語になってしまう。2時間前後の映画にするには、細部は削らないといけないから、仕方のない面もある。
だから、この映画はDUNEのイメージ映画なんだと思う。
細部は原作を読んで……というわけだ。
映像的には、CG技術の進化で、リアリティは増している。そこがデイヴィッド・リンチ版との大きな違いだ。
しかし、新鮮味は乏しく、焼き直し感が強い。
私が映画館に行ったのは、2日目の夜だったが、観客は10人前後だった。いつも初日か2日目に行くのだが、ここまで少ないのは珍しい。日本人向きではない作品だというのが、顕著に出ていると思った。
アメリカでの評価はやや高めのようだが、アメリカ人好みの内容だからだろう。
SFで遠未来の銀河帝国が背景になっているが、中世の騎士物語風にもなっている。日本でいえば、戦国時代を舞台にした時代劇をSFテイストにしたみたいなもの。
原作のDUNEファンは見る価値があるけど、そうでなければこの映画だけでは意味不明だろう。
ようするに、マニアックな作品。
興行的には振るわないだろうね。