園芸で花の種を植え、育て、花を咲かせるには、水や肥料をやり、適切な日照時間や温度管理をする必要がある。
植物のナデシコは、自生する種類もあるが、比較的丈夫で育てやすいとされる。
女子サッカーの「なでしこ」の育成および強化は、簡単ではなさそうだ。
なでしこに“10年前”の強さはもうない 他国のレベルアップに置いていかれた現実|theWORLD(ザ・ワールド)|世界中のサッカーを楽しもう!
自国開催の五輪で夢の金メダルへ。なでしこジャパンにはそんな期待もかかっていたが、早くも追い詰められてしまった。
(中略)
なでしこジャパンといえば2011年のワールドカップを制するなど、女子サッカー界の中でもトップレベルの力を持っていると考えられていた。当時のイメージを引きずっていた人もいたはずだが、その評価も今回の五輪で大きく変わってしまったのではないか。
当時から澤穂希、宮間あや、岩清水梓、阪口夢穂らほとんどのメンバーが代表を離れていることもそうだが、この10年ほどで海外のレベルが一段上がったように見える。元より日本の選手はフィジカル面で苦戦する傾向にあったが、今は他国の女子サッカーもフィジカルだけに頼ったものではなくなっている。足下の技術も確実にレベルアップしており、細かく繋ぐパスサッカーはなでしこジャパンだけの武器というわけではなくなった。他国はフィジカルも技術も日本を上回っている。
今回の東京五輪で見えたのは希望ではなく、課題だ。もう一度ワールドカップの頂点を目指すには、育成年代から大きく変えていくしかないだろう。10年前は世界がなでしこを追いかけていたかもしれないが、すっかり逆転してしまった印象だ。
なでしこジャパンは、2011年がピークだった。
これが現実だ。
2011年以降、ずっと下り坂。
2011年の優勝の立役者の多くが引退し、現役として残っている選手でも、今回のオリンピックには召集されなかった。
監督の意図として若返りというのがあるにしても、非力な若手ではチームとして弱体化してしまう。
ベテランとして残っているのが、熊谷と岩渕だけでは心許ないというのが正直なところ。
はっきりいって、この10年の育成と強化は失敗だったと思う。
2011年のチームを上回るチームにはなれなかった。
かろうじて現在のチームを支えているのが、2011年チームの生き残りである熊谷と岩渕だという皮肉。このふたりがいなければ、チームとしてあまりに脆弱だ。
女子選手の育成と強化は、男子選手よりも難しい。
第一の理由は、女子のプロ選手として将来の保証ができなかったことだろう。
男子の場合は、Jリーグがあり、海外に移籍することも可能であり、経済的な担保はある程度できる。がっぽり稼げる選手は一部ではあるが、プロとしてサッカーを続けられる環境はある。
対して、女子選手は将来性が不透明だ。
女子のプロリーグ「WEリーグ」が9月から始まるが、前途は多難だろう。Jリーグでも経営的に厳しいチームはあるし、女子チームで黒字経営を維持するのは困難が予想される。
世界的に見ても、女子チームの経営状況は男子チームに比べると桁違いに規模が小さい。
それでもプロとして経済的保証がある中でサッカーができるヨーロッパは、環境として恵まれているとは思う。
日本は、女子サッカーのプロ化が遅すぎた。
2011年のW杯優勝を機に、プロ化しておくべきだった。
WEリーグの前身である「なでしこリーグ」は、社会人や大学生の混成チームで、プロ契約の人もいたが基本はアマチュアだった。
子供たちが目指す目標としては、「なでしこリーグ」はプロではなかった。
第二の理由として、欧州や南北アメリカの国の女子チームは、体格からして日本人女子とは違う。
イギリス戦が顕著だったが、大人と子供くらいの体格差がある。これだけ差があると、フィジカルでは太刀打ちできない。頭ひとつ分の身長差は視野の違いにもなり、イギリス選手には見えているものが、日本選手には見えない。その差が判断の違いになったりする。
体格差を埋めるスピードがあれば、まだ救われるが、そのスピードもない。
体の大きな相手選手に走り負けてしまったら、もはや打つ手なし。
結果、競り負けてボールを奪われてしまう。
現在の日本女子は、パススピードが遅いし、精度も低い。
速いボールを蹴れないのは、キック力がないのと、速いパスが来たときにピタリとトラップできないからだろう。だから、ゆるゆるのパスになってしまう。
これでは相手チームは苦労せずに主導権を握れてしまう。
走力がないのも、キック力がないのも、筋力がないのが一因。
代表チームは体作りをする場ではないから、日頃のトレーニングや所属チームで、筋力トレーニングをやる必要がある。体が小さくても筋肉はつけられるが、それをやってないから、体の大きな欧米の選手に競り負けてしまう。
それにしても、サッカー選手を目指す子供たちが、小柄な人ばかりなのはどうしてだろう?
バレーボールやバスケットボールを目指す女子は、背の高い人が多いよね。フィジカルで差が大きいと、そもそも勝負にならないというのもある。それはサッカーでも同様だと思うのだが。
体格に恵まれた子供たちを、サッカー選手に育てる必要がある。
男子であれば、プロになって稼ぐというプランを立てられるが、女子の場合はそうもいかない。目標や夢になりにくいんだと思う。
高倉監督の選手選考や采配に対する疑問や批判も多い。
今回の五輪チームでは、人数が少ないゆえに、ベテランを外してしまったのがマイナスに作用してしまったように思う。若手が頑張れればいいのだが、いまいち機能していない。
試合が始まったら、ピッチ上の選手たちが試合を動かすのだから、11人でなにができるかだ。
澤がいない、宮間がいない、鮫島がいない、岩清水がいない、阪口がいない、永里がいない、川澄がいない……と、ないものねだり。
2011年チームが強かったのは、個人としても強い選手が多かったからなんだ。
2021年チームは、岩渕だけが強さを見せているが、それ以外の選手はパッとしない印象だ。キャプテンの熊谷は、チームを引っ張るには器量不足のようにも見受けられる。
今晩のチリ戦は、よほどのことがない限り勝てるはず。
トーナメントには進めると思うが、勝ち上がるのは難しい気がする。
2011年のチームは「負ける気がしなかった」と振り返っていたが、現在のチームは「格上に勝てる気がしない」という感じ。
金メダルは遠い。