テレワークには、職種と個人の性格で、向き不向きがある

小池都知事は昨日も、テレワークのさらなる推進を口にしていた。
いやいや、できるところはとっくにやってるし、できないところはできないんだよ。
都の職員が全員テレワークにできるか?……といえば、無理だろ。
できないから出勤する。

ここにきて「テレワーク疲れ」が増えているという。

「テレワーク疲れ」で出勤増 在宅への満足度低下―生産性本部:時事ドットコム

日本生産性本部は16日、「働く人の意識調査」結果を発表した。テレワークをしている人で最近1週間の出勤日数が「0日」だった割合は11.6%と前回4月(18.5%)から減少し、昨年5月の調査開始以来最少となる一方、3日以上出勤の割合は増加した。政府は緊急事態宣言などの発出に伴い在宅強化を求めているが、生産性本部は「在宅勤務の効率、満足度が低下し、『テレワーク疲れ』が出ている」と指摘している。

まぁ、そうだろうね、という流れ。
そもそも自宅は仕事をするための場所ではない。
仕事のストレスから解放されるための空間が自宅だったりもする。
そこに仕事を持ちこんでるわけで、公私がぐちゃぐちゃになってしまう。
自宅で仕事をすることで、ストレスから解放される場所がなくなる。

自営業やフリーランスは、仕事場と自宅が同じである場合が多い。
しかし、そうなると仕事と私生活の区切りがなくなる弊害もある。それでもストレスを感じない人は、好きなことが仕事になっていたり、仕事と生活が密接に結びついている人だ。
会社に属するサラリーマンの場合は、こういう仕事=生活とはなりにくい。

テレワーク向きの性格というのもあると思う。
集団で群れたい人、ひとりぼっちが苦手な人、誰かと話をしたい人、取り巻きがいないと寂しい人、目立ちたがり屋な人……など、孤独耐性が弱い人はテレワークに不向きだろう。

テレワークを呼びかけている小池都知事は、テレワークが不向きなタイプの人だね。
だから知事をやってるわけだし。
自分が苦手なことを、他人に押しつけちゃいかんよ。

私は以前、フリーランスで15年くらい仕事をしていた。
自宅で黙々と仕事をしていたし、仕事の打ち合わせでクライアントと会う以外に、人と会うことも話をすることもなかった。
だが、それでも寂しいとかは思わなかった。
まぁ、自宅に猫はいたが(^_^)

ひとりでも苦にならない……というのが、テレワーク向きの性格だと思う。

テレワークで間に合うのなら、会社に行く必要がないし、会社そのものも実体を持つ必要はなくなる。
そうなると社員である必然性も薄くなる。
自営業で会社から仕事を請け負えばいいんじゃないか?
テレワークの行き着き先は、みんながフリーランスということなのかもしれないね。

テレワークであれば、満員電車に乗らなくてもいいというメリットはあるが、会社への帰属意識も薄れる。組織としては弱体化するようにも思う。
テレワークが正義……みたいな風潮は、ちょっと危ない気がする。

諌山 裕

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